MRIを利用する場合のメリットとデメリット

診断用機器

MRIとは、磁力線による特性を活かした体の断面図を作り出す医療機器です。MRI検査やCT検査を上手に使い分ける事で、体の構造や病気の解明に大いに役立っています。そのMRIのメリットおよびデメリットについて紹介しましょう。

MRI検査とCT検査の比較

どちらの医療機器もなくてはならないものであり、それぞれの得意分野を活かす事で、より正確な医療診断を行う事が可能になるのです。MRIが磁力線を使うのに対してCTは、放射線を使用します。

最初の頃は、CTの方が画像は鮮明で、様々な断面図を見る事が可能でしたが、最新のMRIでは、MRスペクトロスコピーによる病変部位の成分解析が出来るようになり、病気の特定まで診断できるようになっています。

MRI検査とCT検査には、それぞれの得意分野があるのです。CT検査は、出血病変などに対する診断に優れていて、MRI検査は、脳梗塞や脳腫瘍および脳幹付近の診断を得意としているので、お互いの得意、不得意を補って今日の医療が成り立っているのです。

MRI検査のメリット

MRIは、体内の水分を利用し、磁場の発生によって水素原子核から発生するごく弱い電波を受け止めて画像を診断する仕組みになっています。自然な状態では、バラバラな水素原子核の方向を、磁場による影響で、特定の方向を向き、電波を切断する事で、もとに戻ろうとする状態を捉えて診断を行っているのです。

1.CTのように被爆の心配がない
磁力による構造なので、放射線は必要ないです。

2.多くの種類による断層面のアプローチに優れています。
これにより特定の部位の診断が可能になります。

3.脳梗塞に対する感度が優れている
CTと比較して脳梗塞や脳腫瘍の診断を得意としています。

4.造影剤を使用しない検査もある
一部の使用があるものの、ほとんどの場合は、造影剤を使用しません。

MRI検査のデメリット

MRIでは骨が写らない仕組みなので、骨の異常は、CTに頼るしかありません。また、磁場の影響が強いので、金属類を体に内蔵している人には注意が必要です。

1.骨の異常がわかりにくい
撮影時に骨と空気の影響を受けにくいのですがその分、骨の異常に対してはCTの方が優れています。

2.脳出血が診断しにくい
MRIだけでは判断が出来ない為にCT検査も必要となります。

3.CTより撮影時間が長い(じっと出来ない人は撮影できない)
MRIのドーナツ型のせまい場所では、圧迫感を感じてしまい、大きな音も恐怖感があると言います。

4.磁力線を使うのでペースメーカーなどが入っている人は検査できない
人工心臓弁や止血クリップ、人工プレートや人工関節を使用している場合は検査が出来ません。

5.閉所恐怖症の人は検査が難しい
中にはじっとしていられない人や閉所恐怖症の人もいます。MRIのドーナツ型のせまい場所で、じっとしている事が出来ずに体が硬直する人もいるので注意しましょう。ただし、オープン型のMRIもあるので利用した方が良いでしょう。

まとめ

MRIが持つメリットを考えた場合に、CTよりも多くの診断が出来る情報量を備えています。だからと言ってCTが劣っているわけでは無く、それぞれの得意分野を活用する事が重要であり、MRIのデメリットも認識する事で、最大限に活用する事が出来るのです。

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