喉頭がんの種類と電子内視鏡検査を解説。最新のNBI技術も

診断用機器

喉頭とは、いわゆる「のど仏」のことで、咽頭と気管の間で舌骨よりも下、気管よりも上に位置します。
喉頭は飲み込み(嚥下)時の誤嚥防止や声の発生に機能しています。
喉頭の病気といえば「喉頭がん」があります。
喉頭がんとは、頭頸部(耳鼻咽喉科が診療する領域)にできたがんを指します。
発生頻度は女性よりも男性に多く(およそ1:10)50〜80歳代に多く発症し、頭頸部の中では最も発生頻度の多いがんです。危険因子は喫煙や飲酒となっています。
喉頭がんは以下の3つに分類されます。


●声門がん
発生頻度がもっと高い分類です。
嗄声(がらがら声)を伴い、症状が悪化すれば声門が狭くなり呼吸困難や血痰などが現れます。

●声門上がん
喉の違和感やいがらっぽさ、飲み込み時の痛み、頸部のリンパ節腫脹が現れます。
症状が悪化すれば呼吸困難や嗄声などが現れます。

●声門下がん
症状が進行するまで無症状ですが、進行すれば呼吸困難が現れます。
喉頭がん全体の治癒率は約80%と他のがんの中でも高い確率となっており、早期にがんを発見することができれば声門の機能を失うことなく治癒することが可能です。
気になる症状が現れている場合にはすぐに受診をしましょう。
では、喉頭がんはどのような検査をするのでしょうか?

 

○喉頭がんの検査

咽頭がんは以下の検査を行い、診断をしていきます。

●視診・触診
喉頭鏡という硬性内視鏡で喉頭内を観察します。
嗄声の有無や疼痛、リンパ節の腫脹がないか観察をします。

●内視鏡検査
喉頭ファイバースコープ(先端にレンズと光源が付属している内視鏡)を口腔または鼻腔から挿入して喉の奥まで視診を行います。
最近では電子内視鏡を用いたNBIと呼ばれる内視鏡技術も使われています。
NBI(Narrow Band Imaging)とは、粘膜表層の血管の走行や微細な状態が強調されて観察することのできる内視鏡の機能です。
通常の光源で観察をするよりも異常の検出率が高いといわれています。

●生検
嘔吐反射が起らないように咽頭・喉頭に局所麻酔(あるいは全身麻酔)をしてファイバースコープで観察を行いながら病変部の一部を鉗子で採取します。検体を顕微鏡で病理検査にかけて確定診断を行います。結果がわかるまでは1週間程度を要します。

●超音波検査
病理検査で確定診断が下れば、リンパ節への転移の有無や病変の広がりを超音波検査で調べます。

●CT・MRI検査
CT・MRI検査で断層撮影を行い、超音波検査の結果とも照らし合わせながら頸頭部や肺などへの転移の有無や広がりを調べていきます。

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