ファイバースコープの耐用年数と実用年数について

診断用機器

医療機器にも耐用年数が存在します。機械設備や建物など固定資産となる対象に対して経費として計上する事ができる年数を決めています。用途に基づいて規定したのが「法定耐用年数」となっています。実用年数の比較を交えて紹介しましょう。

ファイバースコープとはどのような医療機器

柔軟性のある光ファイバーを使用して光学検査を行う医療機器です。わかりやすく言えば胃カメラのようなものです。束になった光ファイバーの先にレンズを取り付けて、反対側にはアイピースが備わっています。

鼻や口などからファイバースコープの管を通して体内の中を観察する機器になります。胃カメラから内視鏡へと進化をし、内視鏡にグラスファイバーを使用した機器がファイバースコープです。

先端にある4つの円の仕組みは、2つのライト部分と1つのレンズ部分で、残りの1つが処置器具になり、体内をライトで照らして観察や医療処置ができるようになっています。胃の検査だけでなく、脳内用スコープや耳鼻咽喉用スコープ、気管支用スコープなどにより多岐にわたって活躍しています。

医療機器の耐用期間と耐用年数の区別

医療機器の安全管理について耐用期間と耐用年数の区別について紹介します。実際の寿命も含めて定義をし、安全管理に努めます。医薬品医療機器等法とは、厚生労働省が定めた医薬品や医療機器等の有効性と安全性を確保するために定めた法律です。

1.耐用期間
使用する医療機器において標準的な使用状況と、標準的な保守点検を行う事として、部品交換や修理などを踏まえた上で、その機器の安全性や信頼性を維持できなくなる期間の事を言います。医薬品医療機器等法によって安全に使用できる期間をさします。

2.耐用寿命
物理的に破損する、経済的に維持が困難になる事、医療技術的に支障が出た場合や企業戦略的に経費削減などの様々な理由により医療機器の使用が困難な状態です。

3.耐用年数
会計上において財務省が定めた減価償却に対する耐用年数を規定しています。医療機器を含めて全ての設備や機械、建物などの資産に対して経費として使用できる年数を定めています。病院の会計上の経費として計上できる年数になっています。国税庁で耐用年数を確認する事ができます。

ファイバースコープの耐用年数と耐用期間

耐用年数は、経理や会計上の申告など税務署に対して経費として使用できる年数になります。国税庁の耐用年数表から見ると6年の耐用年数となっていますが、実際の使用期間とは異なりますので、寿命や耐用期間が示しているように、部品の交換や、修理やオーバーホールを行う事で、耐用年数よりも長く使用する事ができます。

先に紹介したように医療機器には「医薬品医療機器等法」と言う薬事法によって定めています。安全性を維持できなくなると予想する期間として耐用期間が存在します。耐用期間は税務上の耐用年数よりも長くなる事があります。

まとめ

耐用年数と耐用期間で紛らわしいのですが、医療機器であるファイバースコープにとっても、税務上の減価償却年数が「耐用年数」であり、実際に使用できる安全上の予測期間が「耐用期間」なのです。ファイバースコープを長く使うには、保守点検や安全な管理を行う事が大事なのです。

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