MRIの体重制限は何キロからなのか

診断用機器

最近は人間ドックの検査項目の中に含まれていることもあるMRI。MRIとは磁気共鳴画像撮影法のことです。
「Magnetic(磁気) Resonance (共鳴)Imaging(画像)」の頭文字をとって使われています。この検査機器には体重の制限などがあるのでしょうか。この医療検査機器についてご紹介しましょう。

MRIについて

大きなトンネル状の装置に強力な磁場を起こして、ある周波数の電波を照射しますと、身体の中の水素原子が移動します。一定時間を経てから照射を止めると、身体の中の水や脂肪など、電波により動いていた組織が元の場所に戻ろうとします。このとき細胞組織の動きを画像として取り、その画像から身体の異常を発見するのが、この医療機器の検査法です。

この装置は、身体の約70%を形成している水分(水素原子)を素材として画像を取る仕組みになっています。そのため収集できる情報が多大であること、また画像を何枚にも重ねて撮影する規格のため取得画像がより鮮明になって、結果として精度の高い診断が行えます。

MRIの体重制限は

この機器の台に仰向けになって先述した大きなトンネル部分に、台に身体をのせたまま動いて撮影を行います。この一例の機器における体重の制限は、250キロまでです。それ以上の体重の方は受けられません。ちなみに、元横綱の曙が引退した後、格闘技の試合に出てケガを負ったとき、この機器での検査を受けられました。結構、頑丈に造られています。

MRIの特性

この医療機器の特徴はいくつか挙げられるので、下記に示します。

〇身体の縦・横・斜め方向の断面が取れるため理解しやすく、また3次元の画像が取得できるのも特性です。
〇目的に応じて、より鮮明な画像コントラストが得られます。
〇骨や空気による影響がないため、脳や脊髄などを明確に判断ができます。
〇造影剤を使用せずに、又は最小限の造影剤の量で大きな血管に関しての情報が容易に得られます。

得意な検査部位について

この機器が得意とする検査部位については、次の通りです。

〇脊髄・脊椎
頚・胸・腰部の脊椎・脊髄疾患(脊椎腫瘍、脊柱管狭窄症、頚椎症、椎間板ヘルニア、など)

〇脳・頭部
脳血管疾病(脳卒中・脳腫瘍)・脳奇形・外傷・変形型疾病など

〇肝臓・胆嚢・胆道・膵臓
肝臓がん・胆嚢がん・胆道がん・膵臓がんなど

〇四肢
骨肉腫・転移性骨腫瘍・鍵盤断裂(肩)・大腿骨頭壊死・前十字靭帯断裂、骨座礁(膝)など

〇子宮・卵巣
子宮がん・卵巣がんなど

〇前立腺
前立腺がんなど

MRIとCTのそれぞれ画像の違い

MRIの画像は先述したように、自由な角度からの断面が撮影できます。最近はCTでも身体を横に輪切りした画像だけでなく、縦切り画像なども見られるようになりましたが、それでも柔軟度は、MRIの方が優れています。

また、MRIはX線を使用するCTとは違い空気や骨による画像への悪影響が全くないため、例えば頭蓋骨の中にある脳や脊髄などの診断に向いています。更に、造影剤を使用しないか少量の造影剤で主な血管の画像が簡単に取得できる面などあります。

まとめ

MRI、この医療機器には体重などの制限について、また機器の持っている特徴、この機器の得意とする検査部位などについてご紹介しました。

ピックアップ記事

関連記事一覧