MRI検診で癌(がん)の早期発見

診断用機器

癌(がん)検診にも色々な検診がありますが、MRI画像検診はその中でも特に脳や脊椎また子宮・卵巣・血管・前立腺などの診断を得意としています。癌検診などに幅広く利用される検査方法です。

MRI検査とは

MRI検査とは、(Magnetic Resonance Imaging)の略で磁気共鳴画像の事です。磁気共鳴画像とは従来のレントゲンなどと違い、エックス線などは使用せず、電磁波と磁石を使い体内の状況を断面画像として描写する検査方法です。

MRI検査のメリットとしては、エックス線を使わない事により放射線による被爆がないという事が挙げられます。小さいお子様や妊婦さんにも安心してMRI検査を受ける事が出来るという点が最大のメリットです。

MRIが得意とする分野は、脳・肝臓・前立腺・卵巣・子宮・四肢の軟骨部などといった臓器や器官です。中でも、それらに発生する癌の発見に関しては、CT検査をしのぐ能力を発揮します。これらの臓器・器官に生じる癌について、エックス線を用いて体内画像を写し出すCT検査では正常な細胞組織との判別が困難となり、発見が容易とは言えません。

しかしMRI検査により、そういったCTの欠点を補う対応が可能となります。早期検査についても有効であり、MRIが存在するからこそ癌をいち早く発見する医療体制が可能となると言っても過言ではないでしょう。

放射線を受けずにすむMRI検査ですが、メリットもあればもちろんデメリットも見られます。そのデメリットの最たるところとしては、検査時間が長く掛かる事が挙げられるでしょう。CT検査は15分程で終了しますが、MRI検査では長い時には60分程度掛かります。

またMRI検査は狭い筒の中に、長時間大きな音を聞かされるために、恐怖心や耐え難さを訴える方も多くいらっしゃいます、特に小さなお子様などには不向きかも知れません。しかし近年の最新MRI装置はその部分の改善も行われており、音も小さくなって来ています。

またMRI検査は強力な磁気を使って検査するため、脳や心臓にステント(血管を広げる金属製の管)や心臓ペースメーカーや人工内耳など身体の中に金属が埋め込まれていたりする場合、検査は出来ないといった事もあります。

MRI検査を受ける前

MRI検査を受けるにあたっては、まず体内に金属がない事が前提です。また妊娠の可能性や妊娠中の妊婦さんも検査は基本的に医師の判断で受けなくてはなりません。稀な事ですが閉所恐怖症の方にもMRI検査は辛い体験となるかも知れません。

検査内容によっては造影剤を用いる場合もあります。これを服用あるいは静脈注射などで体内に取り入れる事により、より詳細な画像診断が可能となるわけです。しかし、持病によっては造影剤が使用できないケースもあります。

腹部や骨盤部など、検査箇所によっては食事制限および排泄制限を設けなければなりません。指定された時間以降は摂食や排尿を行わないよう患者さんへの注意喚起が必要です。

患者さんが検査室に入る前には、身に付けている金属類を外していただく必要があります。アクセサリー類・入れ歯・メガネ・補聴器などがその対象です。その他、検査を安全に実行するべく、患者さんには医師や技師の指示に従って行動していただく事が重要です。

まとめ

MRI機器もどんどん進歩しており、音の軽減化も進み、中にはオープン型MRIといったタイプも最近では開発されてきています。患者さんによっては、狭い・煩い・怖いなどの感想を持たれるMRIですが、その有効性は疑う余地のないものです。安心して検査を受けていただくための配慮も必要と言えるでしょう。

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