MRIにステンレス製品は反応するのか

診断用機器

MRIは磁気の効果を利用する仕組みの医療機器です。一方で、ステンレスは磁石にはくっつかないイメージがあります。しかし、ステンレス製品を身につけた状態で、MRIを受けることはできないのです。ここではその詳細を解説いたします。

MRIとは?

「Magnetic Resonance Imaging」の頭文字を取った略語であり、名前の通り磁気の性質を利用する医療機器になります。人体の内部を「輪切り」にするように、撮影することが可能です。

CTでは不可能な部位も透写でき、また撮影する方向も自由度があります。放射線を使うCTに対して、磁気の作用を用いるので被ばくの危険性もありません。仕組み上、CTよりも情報量の多い画像を得ることが可能です。

MRIの仕組み

人体を構成する細胞が発する微弱な電波をキャッチし、画像に焼きつける仕組みです。物理学的に磁気が起こす現象が利用されていて、DVDやビデオテープの録画と原理的には近しいです。

MRIに金属の持ち込みは基本的に不可

磁気を利用する性質上、「磁性」と呼ばれる、一般的に「磁石にくっつく」特性を持つ金属は、MRI室に持ち込むことはできません。磁石と反応する要領で、人体に有害となるからです。熱を帯びることで火傷を負うことや、機械製品であれば故障してしまうこともあります。

ステンレスとは?

ステンレスは鉄をメインの元素とする金属の一種ですが、一般には磁石にはくっつかないイメージがあります。そこから、MRI室に持ち込んでよいのではないかと誤解されがちです。

しかし、実際の施術では、人体に危険を及ぼす可能性があるので、持ち込みは禁止されています。ではなぜ、このような誤解が生まれるのでしょうか?

ステンレスなら安全という誤解

一部のステンレスは磁石にはくっつかないことから、こう誤解されています。しかし、くっつかないステンレスであっても、前述した「磁性」は持っているので、MRIには反応してしまうのです。

また、単純に所持さえしていなければ安全というわけでもありません。以下の場合は特に注意が必要です。

体内に金属を埋め込んでいる場合は要注意

心臓のペースメーカーや歯のインプラント、人体矯正のための金属ボルトなどです。ステンレスだけではなく、様々な金属が用いられていることから、一部のチタン製のボルトなどを除いて、基本的には危険が伴います。施術の問診の際は十分に注意しましょう。

まとめ

ここまで、ステンレスであってもMRIには反応してしまうことを説明いたしました。施術の前の所持品検査はもちろん、問診をする際は体内に金属を埋め込んでいないかどうか、間違いのないようにチェックし、安全な検査を実施しましょう。

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