MRIでわかること ~脳の疾病~

診断用機器

三大疾病の中のひとつに、脳梗塞があります。人体の最大の細胞数を有する脳細胞ですが、その脳のどの部位に問題があるのかなどの発見及び治療処置には、MRI検査が欠かせません。今回は、MRIでわかる脳疾病を主に取り挙げていきます。

MRIで脳について分かること

この医療機器では、微小な脳梗塞の診断・脳梗塞の急性期診断・脳動脈瘤・脳腫瘍などの診断にとても有効です。更に、認知症の補助診断として、脳萎縮の程度を計ることもあります。

めまいの症状を訴える患者をMRI検査してみると、聴神経腫瘍が発見されたり、視野症障害と頭痛で脳腫瘍の存在が確認されたり、くも膜下出血の原因となる動脈溜が発見される事があります。このように脳の状態がリアルタイムでわかるため、早期発見や早期治療の貢献することが可能です。

MRIが有効な部位?

このMRIの検査では、全身に及ぶ幅広い部位を調べることができますが、特に得意な部位があります。それは頭部・頸椎・四肢の関節というような動きが比較的に少ない部位です。その他腹腔内臓器や、子宮・卵巣・前立腺などにできる疾患を発見することも可能です。

MRIとCTの違いは?

MRIとCT、前者と後者の医療機器では何が異なっているのでしょう。比較しながら解説していきます。

MRIでは、磁場を使用します。身体は元素の塊だと言えます。元素は各々原子核を持っており、それらがMRIの強力な磁石の作用を受けると反応を起こします。その反応の差異を捉えてコンピュータで解析することで画像化できるのがMRIです。

人体のどの部分から磁力を帯びているかというと、それは体内の水分です。人間の体の7割が水分ですが、その水分を含んでいる所を撮影できるのです。機器の長所の中に組織分解能が非常に高いことが挙げられます。

その他の特徴として、骨の影響を受けにくいこと、病変と正常細胞組織の濃度差がわかりやすいこと、造影剤などを使用しなくても血管を映すことできることなどがあります。

一方CTの機器は、レントゲンに高精度なコンピュータを合わせて詳細に検査ができるものと言えます。X線管が、X線を照射する事により、身体を輪切りにしたような断面画像、また立体的な画像を得られるのがCTです。

この機器は骨の影響を受けますが、広い範囲の検査を短い時間で行え、1mm以下の詳細部位を写すことが可能です。しかし、病変と正常組織と濃度のコントラストがMRIほどは無く、造影剤を使わないと診断が困難なことがあります。

MRIとCTの機器の取り扱いはより深い知識と経験や技術を要する専門性の高いものですが、それぞれの機器には専門技師を中心に行われます。MRIとCT、それぞれが特徴と長所を持っていますが、疾病の性質によっても使い分けてより正しい診断と医療処置のために用いられます。

まとめ

脳の細かい状態や神経組織・血管の状態、脳自体の萎縮を診断することに特に有効であり、早い段階で状況判断ができるため適切な医療措置が早急に行えるMRI。今後もこの機器は更に広く用いられてゆくでしょう。

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