ct装置による画像の見方。ヘリカルctについても

診断用機器

脳卒中の種類には主に脳出血・脳梗塞・くも膜下出血という3種類の分類があります。
脳出血は高血圧などが原因で脳の内部(大脳や小脳、脳幹といった脳実質)に出血をした状態を指します。脳出血の治療としては血圧を下げる処置や脳浮腫を軽減させる処置を行います。
場合によっては開頭して血塊を取り除く場合もあります。
いずれにしても、脳出血をはじめとする脳卒中を発症した際には速やかに診断し、治療を開始する必要があるのです。
脳卒中の鑑別には画像診断検査が有効です。
画像診断装置にはct検査・mri検査がよく利用されていますが、今回はct検査について解説していきます。

○ct装置で出来る事とは?
頭部のct検査では、x線撮影で得たデータをコンピューターで処理を行い、5mm~10mm程度の間隔で頭部を水平面上で輪切りにした画像を映し出すことができます。
ct検査は出血病変の抽出に非常に優れています。
ct画像によって脳出血やくも膜下出血が確認できればすぐに治療を始めることができるというメリットがあります。

○ct装置の画像の見方
ct画像の特徴は、x線の吸収具合に応じて画像に映し出されるということです。
高吸収域(光を反射させる領域)では画像が白く映ります。例えば骨、金属、出血(血腫)などが高吸収域で表出されます。
一方で、低吸収域(光を通過させる領域)では画像が黒く映ります。
例えば脳室(脳脊髄液などの水分)、脂肪、梗塞などが低吸収域で表出されます。
脳梗塞においても黒く(高吸収域)表出されますが、発症初期では、はっきりと表出されないというデメリットもあります。

○ヘリカルctで動脈瘤の発見にも利用される
ct検査では水平面上の断面画像だけでなく、血管の構造や血液の流れを測定することができるヘリカルctとよばれる装置も普及しています。従来のctでは設定した距離間での断面画像を表出するため、小さい病変は見つけることができませんでしたがヘリカルctではらせん状に撮影をするため、初期の小さな病変でも発見できるようになりました。
また、血管中に造影剤を入れることで脳血管を3Dで映し出すことができます。
この技術により脳血管の構造を360°どの方向からも確認することが可能です。
これはくも膜下出血の原因となる動脈瘤の診断によく利用されています。
動脈瘤を発見することができればクリッピング術やコイル塞栓術などの手術により動脈瘤の破裂を予防することが可能です。

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