「検査機器レントゲン・CT・MRI」の違いとは

診断用機器

がん検診や脳・肺の検査などでは、一般的にCTやレントゲン、MRIといった検査機器を用います。健康診断や人間ドックではこれらの検査機器を使い分けて、病気の早期発見に努めています。そこで、ここでは「レントゲン・CT・MRI」の検査機器の仕組みや検査対象についてまとめておきます。

レントゲン・CT・MRIの仕組みと検査対象について

この3つの検査機器はどれも体内の状態を確認するための装置で、臓器や骨、その他の体組織を外部から検査できる医療機器です。ですが、それぞれにシステムが異なっているため、どの部分を検査するか、どのような症状を確認するのか、その用途によって使い分けられています。

レントゲンの仕組みと検査対象

レントゲンとは、電波や光と同様の電磁波・X線を体に照射して、内臓や骨の状態を検査する医療機器です。レントゲンの始まりは1895年のドイツで、ヴィルヘルム・レントゲン氏によって発見されたX線が体内の特定の組織を白く映し出す性質を利用しています。

たとえば骨や心臓はX線が通過せず、白っぽく映し出されます。一方で、皮膚や肺といった組織は素通りするため黒く映されます。この性質から、骨や関節の状態を白と黒で明確に映し出すことが可能です。

また、胃の撮影ではバリウムを飲みますが、X線が素通りしやすい部位では造影剤を利用するなどの工夫が必要です。なお、X線は強い放射線で、人体に大量に浴びせると健康被害のリスクがあるので、専門の技師によってのみ施術されます。

CTの仕組みと検査対象

ベッドに垂直に建てられたドーナッツ状の検査機器を回転させながら、人の体がその中を通過することで360度全方向からX線を照射させるのがCT検査です。つまり、立体的に体内の状態を映し出すことができる検査機器なのです。

なお、映像はコンピューター処理によって、正確に鮮明に映し出されますので、初期のがんのように小さな腫瘍でも発見することができるようになりました。

CTの得意分野としては、脳溢血や肺がん・肺炎、尿路結石や腸炎や腸閉塞、関節内骨折など、レントゲンでの検査が難しい病状の検査です。

MRIの仕組みと検査対象

MRIはX線を利用しません。放射線による被ばくの心配がない体内検査法です。MRIは、マグネティック ( 磁石・磁場 ) によって体内の原子がそれぞれ違う反応を示すことを利用し、その反応の様子をコンピューター解析して映像化するシステムです。

具体的には、MRIのドーナツ型機器から体内へ電波を照射し、体内の水素原子がそれに共鳴して電波を出すため、それを感知して原子の位置情報を把握し、体内の様子を映像化しています。このシステムは組織分解能が非常に高く、血管の様子も鮮明に映し出すことが可能です。

MRIの得意分野は、早期の脳梗塞や脳動脈瘤、内臓 ( 肝臓、膵臓、腎臓 ) や血管、靭帯・半月版に神経、子宮・卵巣や前立腺など多岐にわたります。

まとめ

現代では、簡易的にレントゲンを使いますが、精密検査ではCTかMRIを使うのが一般的です。CTもMRIもそれぞれ長所短所がありますので、医師は用途に応じて的確に使い分けています。

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