電磁波・電波による精密検査機器「MRI装置」について

診断用機器

健康診断や人間ドックではさまざまな検査を行って、体の異常をくまなく診断しています。よく聞く検査方法には、レントゲン・CT・マンモグラフィがあります。これらはすべて放射線を利用した検査方法で、医療機関では診療放射線技師が施術します。

また、同様の精密検査法にMRI検査があります。こちらは放射線を使用せず、磁石による強い電磁波・電波を利用して体内検査を行います。

MRI電磁波検査は放射線を使わない安心検査

MRI装置はCTスキャンの装置と似ています。寝台に垂直にドーナッツ型の検査機器が設置されていて、検査時には検査用リングが回転しながら、頭からつま先までスライドします。

ドーナツ型検査機の中には超伝導磁石がセットされていて、強力な磁場・電波を発生させながら体全体を立体的にスキャンします。

電磁波によって体内の様子を画像化する仕組みについては、人体に含まれる水素原子の原子核の密度とその位置関係を画像化します。MRI装置が照射する電磁波・電波により、体内の水素原子は微量に影響を受け、その反応をコンピューターが分析し、立体画像へ加工します。

ちなみに、人体には60%以上もの水分と20~30%の脂肪が含まれていて、水素原子が体中に詰まっています。よって、MRIの検査方法は体全体の検査に有効で、極めて正確に体内を画像化します。

ただし、電磁波は金属など特定の物質に干渉されるため、人工関節やペースメーカーといった装置が体内に使われていれば、その部分の検査は不正確となります。また、補聴器やネックレスなどの着用も厳禁です。

MRI検査のメリット

検査方法には一長一短があり、利便性の高いレントゲンやCT検査でも、検査対象によっては正確な情報が得られない場合があります。例えば脳梗塞の急性期の発見において、CT検査は正確さに欠けることがありますので、電磁波を利用したMRI検査が適用されています。

また、CT検査には造影剤の使用が伴うため、毛細血管などを描出することが困難です。MRI検査は造影剤が不要ですので、血管のスキャンが正確です。動脈瘤や狭窄の検査はMRIが適しています。

他にも、関節や半月板、 靭帯などの損傷チェック、脂肪組織の状態チェックなどにも適しています。胆のうや膵管に関しても、電磁波で正確に画像かできるMRI検査が採用されます。

なお放射線を使用しないため、放射能による健康被害も回避できる点もメリットでしょう。

MRI検査のメリット

MRI検査の欠点として、レントゲンやCT検査よりも検査時間が長くなります。通常では30分前後かかりますので、他の検査や治療を行う場合は時間的に不便です。また、電磁波を発生させる装置から騒音が発生するというデメリットもあります。

まとめ

電磁波・電波によるMRI検査では、磁気共鳴専門技術者という有資格者が施術に当たります。他の検査技師と同様に、安全を最優先させた検査が得られることは、診察を受ける患者にとって安心なことです。

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