鼻から入れるファイバースコープの内視鏡が主流? ~初期の発見から手術まで~

診断用機器

ファイバースコープの内視鏡は、以前までは口から入れるもの(経口内視鏡)がメインでした。しかし医療機器の進歩に伴い、ファイバースコープの内視鏡検査において、近年では鼻から入れる経鼻内視鏡がメインになりつつあります。それらの違いなどを見てまいりましょう。

内視鏡とは

内視鏡は大きく分けて、二つの部分から成り立っています。ビデオスコープ部分とビデオシステム本体で構成されるものを、一般的に内視鏡と呼んでいます。

ビデオスコープ部分は、先端部・操作部・挿入部・コネクター部で構成され、ここで撮影されたものがビデオシステムに接続されモニターで観察されます。場合によってはこの先端部に器具を挿入し、患部の処置を行う事もあります。

内視鏡は検査も治療も行え、且つ身体に掛かる負担を最低限に出来る先端医療機器と言えるでしょう。身体にメスを入れる手術と違い、最も小さな手術と言えるかもしれません。その最たるものと言えば、胃がんなどの場合初期段階であれば、この手術が可能です。

胃がんや大腸がんなど、初期の発見から手術まで行える内視鏡はその性質上、術後の回復も外的手術などに比べると格段に早いのも特徴です。内視鏡の検査はCTやMRIなどとは違い、直接医師の目で患部を観察できるという点で優れていると言えます。この様に内視鏡は現代では無くてはならない医療機器と言えるでしょう。

経口内視鏡から経鼻内視鏡

経口内視鏡を使った検査などでは、使われるファイバースコープの太さは一般的には8mmから9mm前後となっていますが、経鼻内視鏡では5mmから太くても6mmと、比較しても格段に細くなっているのが分かります。

この事は、鼻から入れる経鼻内視鏡が経口内視鏡よりも身体に与える負担という面から見ても、小さくなったと言える物です。麻酔も口から入れるものでは、喉への局所麻酔と鎮静剤を使う事が多かったですが、鼻からの場合は鼻腔の局所麻酔のみで済みます。

これは稀に起こる麻酔事故を減らすという観点からも、有益な事ではないでしょうか。そして、患者さんも検査後その日のうちに帰宅できる場合が多く、こういった面でも口からの検査よりも鼻からの内視鏡検査が推奨されている起因ではないでしょうか。

しかしながら、全て経鼻内視鏡が優れているかと言うと、まだ経口内視鏡に分がある事もあります。内視鏡の細さは逆に弱点となる事もあり、その映し出される画質などの面で少し不利な事もあるようです。

まとめ

医学の進歩は、その医療機器の進歩でもあると言えます。様々な分野での医療機器は進歩の歩みを止めませんが、その事こそ医療が私達に近い存在であることの証明なのではないでしょうか。

ひと昔前までは、不治の病と言われていたものが、今や投薬で治療できる時代です。人生100年時代と言われ始めている現在。健康で健やかに長生きしたいものです。

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