ファイバースコープの耐用年数について

診断用機器

医療機器である「ファイバー スコープ」の耐用年数にも、期限があるのはご存じだと思いますが、その耐用年数はどの様にして決まるのでしょうか。また耐用年数に達した医療機器はどの様に扱われるのでしょうか。今回は耐用年数について見てまいります。

ファイバースコープとは

ファイバースコープが、イコール内視鏡という認識は少し前までのことです。厳密に言えばファイバースコープはカメラを使用しない内視鏡の事を指す言葉であり、レンズを通して医師の肉眼で観察する装置の事を指す言葉です。

近年では先端にCCDカメラを搭載して、モニター画面で胃や腸、食道などを観察できる「電子スコープ」と呼ばれるタイプのものが内視鏡の代名詞になりつつあります。この電子スコープにもファイバー素材が使用されています。

しかし以前からの名残として、ファイバースコープと聞けばこの電子スコープを思い浮かべる方が多い事も確かです。ただしこの以前からあるファイバースコープも、内視鏡径が細いものなどは現在も使用されることは多々あります。

ファイバースコープの耐用年数

医療機器全般に言える事ですが、耐用年数には2通りのものがございます。1つは法定耐用年数と呼ばれるものと、もう1つは実用年数(耐用期間)です。

●法定耐用年数
これは税的な面から判断したものであり、使用する器材などが減価償却する年数が定められています。国税庁のHPなどに記載されているファイバースコープにも耐用年数は定められています。

●実用年数(耐用期間)
これは実際に使用する頻度や取り扱い方にもより、変わってくるものです。4年で交換しなければならない物もあれば、6年を超えても使用できるものも出てまいります。したがって法定耐用年数との誤差が出てくることは当然と言えば当然です。

この様に耐用年数は実際と、法的なものの間に差が生じるものですので、その交換時期などは現場で使用している医師やそれを管理する看護師・技師などの判断が優先されるべきものです。

しかしながら、薬事法には定められた「耐用期間」というものが存在します。こちらの方が法定耐用年数よりも医療機器に対する、修理や部品交換などを行なう事を、予め想定して期間を定められているからです。ただしこれも目安にすぎません。

ファイバースコープの寿命と言うものは相対的に見て、実際現場の判断に委ねられる部分が大きいものです。法定耐用年数が来たから廃棄と言うものではないのが現実です。

医療器材に関して、その管理が重要になってくることは十分想定内の事です。直接人体に使用するものである以上、しっかりとした衛生管理から始まり、器材の人的トラブルを引き起こさないように、器材管理にも日頃からの注意が求められるものです。

まとめ

全ての機器や器材には、自ら寿命というものが存在します。それを使用する側の取り扱いの方法や、メンテナンスの仕方などにより変わって来るものもあれば、自然に摩耗したりするような部分も出てまいります。

また法的に医療器材には、厳格な規則も存在している事も事実です。ファイバースコープの様に比較的多く使用されるものはその耐用年数に関わらず、しっかりとした管理が必要なのは間違いのない事だと思います。

ピックアップ記事

関連記事一覧