脳波計入力とインピーダンスについて

診断用機器

脳波測定に携わる医師や技師は脳波計の原理を知った上で電極の装着や測定を行う必要があります。具体的には電極のタイプやインピーダンス、電極の配置、モンタージュ、フィルターについては理解しておく必要があるでしょう。
今回は脳波の出力に大きく関わるインピーダンスについて解説していきます。

○インピーダンスとは
インピーダンスとは、わかりやすく言えば交流回路における「電流の流れにくさ」を指します。(電流の流れやすさはアドミタンスといいます)
インピーダンスは電圧(E)を電流(I)で割った値(R)が該当します。インピーダンスの単位はオーム(Ω)として表されます。オームは抵抗(R)とほぼ同意義として理解しておいても差し支えはありませんが、オームは抵抗よりも範囲の大きい定義として使われます。

○より良い脳波測定にはインピーダンスを落とすことが重要
オームの法則では以下の計算が成り立ちます。

電流(I)=電圧(E)/抵抗(R)

より良く脳波を測定するには電流をより大きくすると雑音の少ないはっきりとした波形を記録することができます。
電流をできるだけ大きくするには抵抗を小さくする必要があります。
脳波測定における抵抗とは、電極の抵抗、それぞれの電極間の抵抗、そして増幅器での入力間の抵抗などがあります。
最も重要となるのが電極の接触抵抗を落とすことが挙げられます。
具体的には電極を頭部に装着する際に頭皮の油分や汚れを落としておくこと、髪をしっかりとかき分けて装着することが対策になります。
接触抵抗を落とすことができれば雑音(アーチファクト)の少ない明瞭な記録をとることができます。

○さまざまなアーチファクト
アーチファクトには機器外部に起因するものと機器内部に起因するものに分けられます。
アーチファクトの特徴的な記録を理解しておくことにより、何が原因でアーチファクトが混入しているのか判断を行いやすくなります。
脳波測定のポイントはいかにアーチファクトを最小限にできるのかといっても過言ではありません。

○脳波計の規格
脳波にはさまざまな項目の規格が存在し、取扱仕様書には必ずこの規格が記載されています。
脳波計の入力部には電極接続器、電極選択器、校正装置、そして接触抵抗測定器が備えられています。
接触抵抗測定器にて電極と人体との間の接触抵抗を測定することが可能です。
脳波計によってはオプション扱い(別途購入)となるため、新規購入の際には規格・仕様を必ず確認しておきましょう。

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