CT装置の仕組みとは?

診断用機器

【はじめに】
皆さんは一度は病院でCT検査をしたことがあるのではないでしょうか。ところでこのCT装置とはどういう仕組みになっているのでしょう?似たようなものにMRI装置がありますが、この2つは検査方法が異なっています。今回はその中でもCT装置についてお話したいと思います。

【CT装置とMRI装置の違いとは】

CT装置もMRI装置も、クレードルと呼ばれる寝台に患者が横たわり、大きなドーナツのような輪の機械(ガントリと呼ばれる)の中で検査するところは似ています。
しかし、CT装置は「X線」による検査であるのに対してMRI装置は「磁場や電磁波」を使った検査です。
また、体の中を撮影するという点ではレントゲンがありますが、CT装置やMRI装置の方が体の中を詳しく見ることができます。

【CT装置の仕組み】

CT装置は輪の機械(ガントリ)にX線を出す管球と、それを受け止める検出器が中に入っています。
管球と検出器は1周を0.5秒くらいのとても速い速度で回転し、データをコンピューターに送ります。
人の体は約60%が水からできていて、CT検査では水の値をゼロで表します。空気(何もない)状態は-1000の値になります。そしてこの空気の部分はCT画像では真っ黒になります。
体内の組織、臓器やその大きさ、厚み、密度によって患者の体の中を通過するX線の動きが異なります。その量の差、変化をデータ化しコンピューター処理することによって体の内部を画像化することができるのです。

CT検査は造影剤を使う検査と使わない検査があります。造影剤を静脈に注射して行います。これを使わない時より使う方がより小さな異常を見つけやすくなるため、それが必要な場合は造影剤を使った検査が行われます。

【CT検査でどのようなことがわかる?】

CT検査では、脳出血・肺がん・肺炎・内臓の異常・腸炎・腸閉塞・尿道結石などを見つけることができます。
さらにMRI検査では15~30分ほどかかるのに対し、CT検査は10分以内で終わることができます。
しかし、だからといってCT検査の方が優れているというわけではありませんし、逆にMRI検査の方が優れているというわけでもありません。この2つにはそれぞれどの病気を見つけやすいかの違いがあるので、患者さんのケースによって使い分けることのできる装置です。

【まとめ】

CT検査は、体の内部を手術せずに「見る」ことができるという、昔なら考えられなかった素晴らしい医療技術です。科学の発展のおかげでCT装置は現在多くの医療現場で活躍しています。
もちろんメンテナンスもかかせません。最低でも半年~1年の間に1回はメンテナンス業者がCT装置に実際の水を置いてみてきちんと装置が水であると判断するかどうかのチェックを行います。技術の発展だけでなく、こういう地道なメンテナンスにより我々の健康は保たれているのです。

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