心電図で分かること

診断用機器

【はじめに】
私たちの心臓は常に筋肉が収縮して動いています。筋肉が収縮しているときに心臓には微弱な電気が流れています。この電気の流れを波形にして読み取るのが心電図です。体に電極をつけて電流の動きを用紙に波形で描き出します。波形の形が正常な場合と異なるときに何らかの病気を疑います。では、心電図で分かることと検査方法についてみていきましょう。

【心電図で分かること】

心電図で分かることは主に心筋の異常と不整脈です。
心電図の波形に異常がみられたときにこれらのことが考えられます。心筋の異常とは心筋の虚血や心筋の肥大などのことを示しています。電気の発生や伝わり方に異常があれば不整脈が考えられます。
ここから推測できる病気としては不整脈・心不全・心筋梗塞・心臓肥大・狭心症・先天性心疾患などがあります。

【検査方法】

次に心電図の検査方法を紹介します。

・安静時心電図
電極を両手・両足・胸部に数箇所つけ、心臓の収縮する動きによって発生する電気を読み取る検査です。検査時間は5分程度と短く、痛みを伴うことはありません。不整脈、心臓肥大、心筋梗塞、心筋虚血などの異常を見つけるのに有効です。

・運動負荷心電図
安静時心電図で心電図を測った後、運動をしてもらってから検査します。この運動にはいくつかの方法があります。決められた段数の階段を一定の時間上り下りして心臓に負荷をかけるマスター法が一番簡易的な方法になります。しかし、マスター法では負荷が不十分になる欠点があります。そこで、ベルトコンベアの上を一定速度で歩くトレッドミルや固定した自転車を一定速度でこぐエゴメーターといった方法があります。これらは十分に心臓に負荷をかけることができ、狭心症の診断や不整脈の検出に使われます。

・ホルター心電図
安静時心電図では検出しにくい一過性の不整脈を診断するのに役立ちます。胸に電極を数箇所つけ、記録装置をベルトで腰に固定します。24時間記録することで普段の生活の中での心電図の変化をみることができます。記録装置はカセットテープを使って記録するので比較的小型になっています。カセットテープではなくICカードで記録するタイプもあります。

【最後に】

心電図は心臓の動きを知る手段のひとつです。それぞれの検査方法でどのようなことが読み取れるのか理解しておくことが大事です。心電図によって心臓の異常が全て分かるわけではないですが、何かしらの異常を疑う方法として役立ててください。

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