MRI検査とレントゲン検査の違いとは?

診断用機器

【はじめに】
私達はしばしば病院でMRI検査やレントゲン検査を受けることがあります。MRI検査の方がなんだか大きな装置で大がかりな感じがしますが、具体的にこれらはいったいどのような検査で違いはどのようなものなのでしょうか。今回はそのことについて説明したいと思います。

【2つの違い】

MRI検査とは、磁気や電波を利用して体内の状態を立体的に画像化(3次元)し病気や異常を見つけることができるものです。
一方、レントゲン検査はX線による撮影ですが、一方方向から移した画像(2次元)しか確認できません。
しかしレントゲン検査は数分~10分ほどで簡単に撮影できるのに対し、MRI検査は20分~1時間ほどかかります。

【検査でわかること】

MRI検査では頭部、脊椎、関節など動きが少ない部位の異常を見つけるのに適しています。
3次元の立体的な画像でみることができるので、脳やせき髄の異常を鮮明に調べることができます。
レントゲン検査ではわかりにくい「外から見えない骨折」を見つけることもできます。

レントゲン検査で大きな力を発揮できるのが胸部レントゲンです。肺や心臓を撮影し、肺炎や結核の早期発見や心臓の周辺の病気(大動脈瘤、心肥大など)の発見につながります。
そのほか、腹部、脊椎の異常や病気を見つけたり骨折部位の特定などを主に行います。

【撮影・撮像方法】

MRI検査の装置はドーナツ状の円と寝台でできています。このドーナツ状の中で強力な磁場を発生させその中に患者さんが入り画像データを採る仕組みになっています。
磁場の力はたとえばエレキバンだと1000ガウスほどなのですが、MRI検査になると10000ガウスと約10倍の力が出ています。ですので、磁場を乱すような金属はあらかじめ取り外して検査します。ペースメーカーを利用している患者さんには影響が出るので検査はできません。

レントゲン検査はX線が体内を通る力で撮影します。X線検査画像は白と黒の濃淡になっています。X線管電圧・X線管電流・撮影時間の3つを調整することで画像のコントラストが変化します。どういう目的で撮影するかによって、それらを調整します。
なお、X線というと被ばくがあるのではないかと思う方もいますが、例えば胸部レントゲン撮影ですと1枚で0.1ミリシーベルトです。一方、自然放射線によって日本で1年に浴びる量は2~4ミリシーベルトといわれますので、体への影響は心配ありません。

【まとめ】

MRI検査とレントゲン検査の違いはおわかりいただけたでしょうか。一回の検査にかかる手間や時間も違いがあり、MRI装置は大きなものなのである程度規模の大きな病院にしかなかったりします。どちらが優れているか、ということではなく、どういう検査をしたいかという目的によってMRI検査とレントゲン検査は使い分けられています。

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