血圧計の種類と点検方法を紹介

診断用機器

血圧とは、心臓のポンプで血液が全身に送り出される時に動脈にかかる圧力のことです。もちろん静脈や細い末梢の血管にも血液の圧が掛かっていますが、一般的な血圧測定の対象となるのは動脈です。
血圧は体のリズムに合わせて1日の時間帯によって変動します。また、緊張やストレス、運動によっても変動します。正しい血圧を知るには毎日決まった条件で測定をすると共に正しく測定をできるように血圧計の点検・メンテナンスをすることは欠かせません。

○血圧計の種類
血圧計には水銀血圧計、アネロイド血圧計、自動電子血圧計の3種類に大別されます。
病院やクリニックなどの医療機関で主に使われるのは水銀血圧計とアネロイド血圧計がほとんどです。これは聴診器で血管の音を聴いて測る聴診方法(コロトコフ法)が用いられます。
家庭で使われるのは主に自動電子血圧計ですが、これはオシロメトリック法と呼ばれる測定方法がほとんどです。
オシロメトリック法とは、動脈の拍動で規則的に発生する振動の変化を測ることで血圧の値を割り出す方法です。自動電子血圧計でも信頼度の高いコルトコフ法で測定することができる技術は開発されていますが、高感度マイクを内蔵する必要がありコストが掛かります。

○水銀血圧計・アネロイド血圧計の点検項目
血圧を正しく測定するには定期的な点検が必要不可欠です。水銀血圧計またはアネロイド血圧計の主な点検項目は以下の通りです。
・水銀血圧計を垂直に置いて圧を抜いた際には、指針がゼロ位に戻っているか
(アネロイド血圧計では圧を抜いた際に針がゼロ位を指しているか)
・水銀が漏れていないか
・水銀柱が切れて空気の混入がないか
・水銀血圧計において度目200㎜に達した際に送気を止めて、3分間静置しても2mm以上、水銀柱の上下降がないか
・ゴム管の連結部位から空気が漏れていないか(送気中に空気が漏れていないか)
・送気球から適切に送気と排気ができるか
・マンシェットが正しく装着できるか(マジックテープの劣化がないか)

○自動電子血圧計の点検事項
腕や手首に装着して電源を入れるだけで測定ができる自動電子血圧計ですが、こちらも日常的に点検が必要です。異常があればコロトコフ法で測定して数値を比較してみる、別の自動電子血圧計を使用してみる、メーカーに問い合わせるなどの確認をしましょう。
・電池やバッテリー残量は十分にあるか
・ゴム管の連結部位から空気が漏れていないか
・送気・排気時に異常音がしないか
・明らかに異常な数値がでていないか
・極端な低血圧、不整脈がないか(正しく測定できない場合があります)

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