脳波計での測定の際使われる用語~入力インピーダンス~とは

診断用機器

【はじめに】
インピーダンスとは電流回路中の電流の流れを妨げる働きのあるもののことを指し、脳波計でも電極と皮膚の接触抵抗としてインピーダンスを下げ正確な値を測定することが求められてきます。

今回インピーダンスについての内容についてお伝えしていきたいと思います。

【脳波計の仕組みってそもそもどうなっているの?】

脳波計の仕組みを簡単に説明すると、脳内から発せられる微弱な電気信号・電位差をアンプによって増幅し脳波を測定するものということができます。

その中でも、インピーダンスとは「抵抗」という言葉で置き換えることができ、「入力インピーダンス」と「接触インピーダンス」に大きく分けることができます。

【インピーダンスについて】

では「入力インピーダンス」と「接触インピーダンス」とは何が異なるのでしょうか?

「入力インピーダンス」は脳波計内にある抵抗のことを指し、「接触インピーダンス」は脳波計を装着するときに用いられる電極と皮膚の間にある角質などの抵抗値を指していることになります。

知りたい脳波の電位差をEとし、アンプに入る電位差をVとした場合、究極的にはE=Vとなるのが理想ですが、実際には接触インピーダンスなどの存在によってそうはいきません。

その際、参考となるのが「分圧の法則」と呼ばれる法則です。

例えば、入力インピーダンスをE{1}、接触インピーダンスをE{2}、知りたい脳波の電位差をE、アンプに入る電位差をVとすると、この法則から以下の式が導き出されます。

V=E{1}/(E{1}+E{2})×E

この式より、V=Eとなるためには、E{1}/(E{1}+E{2})=1となる必要があることがわかります。

つまり、E{1}=(E{1}+E{2})となればよいので、

E{2}=0になることが求められてきます。

ここで分かることは接触インピーダンスE{2}は0にできるだけ近づける必要があるということになります。

そのためには、測定前の皮膚の角質をきれいに落としたり、前処理をきちんと行うことが大切になってきます。

【終わりに】

いかがでしたか?今回脳波を脳波計で正確に測定する際に大切になってくるインピーダンスの内容についてお伝えいたしました。今回お伝えした内容のものは「パッシブ電極」という電極を用いた脳波計のインピーダンスについてでしたが、接触インピーダンスを下げる前処理のいらない「アクティブ電極」というものも存在しています。

是非参考にされてください。ありがとうございました。

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