血圧測定の歴史

診断用機器

【はじめに】
毎日の健康チェックで欠かせないのが血圧。病院に行って診察を受けるときにも、事前検査必ずといっていいほど血圧測定はあります。
血圧は生体データとして貴重でありながらも、それゆえ正確な測定が難しく長い間多くの人々が研究してきました。
今回は血圧測定の歴史について見ていきたいと思います。

【血圧測定の歴史】

・血圧測定の始まりと血圧計の発明
血圧を初めて測定したのは18世紀イギリスの学者スティーヴン・ヘールズ。本職は牧師でしたが、王立協会から功績を認められるほどの優秀な学者でした。彼は1720年に馬の血管に圧力計を取り付け、初めて血圧を測定しました。ちなみにスティーヴン・ヘールズは、理科の実験などで気体を集める水上置換法を発明をしたことでも知られています。
時代は流れて19世紀イタリアの医師シピオーネ・リヴァロッチは、水銀柱を使った圧力計と、ゴム球を握って加圧する腕帯カフを取り付けた「世界初の血圧計」を開発。この基本的構造と測定方法は現在の血圧計にも受け継がれています。

・血圧測定にその名を残すコロトコフ
それまでの脈拍を使った方法では、収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)を測ることはできても拡大期血圧の測定は難しいものでした。この問題を解決に導いたのが20世紀ロシアの軍医ニコライ・コロトコフです。
彼はコロトコフ音という、カフを締め付けて徐々に圧力を落とした時に生じる血管音を発見し、論文で発表しました。論文はたった267語ほどの短いものでしたが、広く認められました。コロトコフ音の発見により、拡大期血圧・収縮期血圧ともども正確に測れるようになっていきます。
ちなみにコロトコフは若くして亡くなったので、息子で医者のセルゲイは毎日父の発明したコロトコフ音による測定をしながらも、その偉業を知らなかったという逸話があります。

【現代の血圧計】

近代までは正確な計測が難しかった血圧も、現代では手軽に家庭でもできるようになりました。
医療機関ではカフを用いた昔ながらの血圧計も今だ現役ですし、家庭用に手首に装着しているだけでリアルタイムに血圧を測ってくれる最新鋭のものまであります。
血圧計は私たちの健康維持に欠かせないものとなっていると言えます。

【まとめ】

いかがだったでしょうか?簡単にですが血圧計の歴史を見てきました。
一昔前より正確で手軽になった血圧測定。その分ユーザーの正しい測り方が求められています。これまでの掲載記事に正しい血圧測定の仕方や誤差の出方・原因について書かれた記事もありますので、ぜひそちらも参考にしてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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