MRIでわかる足首の異常

診断用機器

【はじめに】
日常生活で何も問題なく過ごしていても疲労はたまるものです。
その中でもとくに足回りは負担が大きいです。毎日体を支えているわけですから当然のことです。また、スポーツなどの激しい運動をしていれば損傷しやすい部位でもありますよね。サッカーやバスケットをしていて足首をひねって、ねんざした経験は誰しもが1,2度はあるはずです。
そこで今回は足関節で起こるそういった症状とその診断方法について少し話をしてみたいと思います。

【足関節に起こる症状】

では、さっそく足関節で起こる症状について紹介します。
最も代表的な症状といえば「足首のねんざ」ではないでしょうか。足首のねんざというのは、足首をひねった際に足関節を構成する骨や軟骨、もしくは靭帯へ生じる外傷のことです。痛みや腫れを伴うのはみなさんもご存知だと思います。

その他に足関節で起こりうる症状としては「疲労骨折」があります。
骨に疲労が溜まったことで起こる骨折が疲労骨折です。足関節で起こる疲労骨折の原因としては長距離歩行や過度なトレーニングがあげられ、足首などの使い過ぎで起こります。
長距離歩行などで疲労骨折が起こる箇所としては第3・4中足骨です。足の甲にあたる部分の骨でそこから痛みが出ます。また、サッカー選手などによくみられる内側のくるぶしの疲労骨折などがあります。その他にも足関節を構成する各部位では疲労骨折は起こりえます。

【レントゲンだけでは診断できない?】

骨折の診断というと「レントゲン」がすぐに思い浮かびますよね。
しかし、そのレントゲンでは全ての骨折を診断することはできません。
骨折は完全に断裂しているか、いないかで完全骨折と不全骨折に分けられます。完全骨折は骨がしっかり折れて繋がっていない状態を指し、不全骨折は骨にヒビが入っている状態などのように完全に折れているわけでなく部分的に繋がっている状態を指します。
レントゲンでは交通事故などで起こる完全骨折ははっきりと映し出すことはできますが、ヒビのような不全骨折は確認ができなかったり、骨折とは断言できないといった診断が出たりします。疲労骨折も不全骨折の状態が多いのでレントゲンでの診断は難しくなります。

【MRIで診断が必要な症状】

レントゲンでは全ての骨折を診断するのは難しいと書きましたが、それに加えて骨折や足首をひねったことなどによる筋肉の炎症を診断することも難しいです。ですから、足首をひねって骨折ではなく靭帯を切っていたとしてもその症状を見抜けなかったりします。

しかし、そういった症状の診断に有効なのがMRIです。
MRI検査は炎症の判別に強いだけでなく、骨折が新しいものなのか、古いものなのかといった時期の特定も可能です。そのため、レントゲンでは診断が難しい不全骨折や疲労骨折、骨挫傷などを見つけ出すことができます。
足首のねんざなどの痛みや腫れがなかなか引かない場合はMRI検査を受けてみる価値があります。

【まとめ】

同じ部位に繰り返し力が加わることでその部位の骨がもろくなり骨折するのが疲労骨折です。とくに足関節はさまざまなかたちで使われ、多くの力が加わっているので、疲労骨折しやすい部位といえるでしょう。
しかし、その疲労骨折は通常のレントゲン検査では診断しにくい症状となります。もし、レントゲン検査を受けて診断が出ても不安が残るようであれば、MRI検査を受けることをおすすめします。

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