麻酔器に付いているモニターの見方について

診断用機器

【はじめに】
みなさんは麻酔を受けたことはありますか?身近な例でいうと、歯の治療がありますよね。部分的な麻酔なので複雑には見えません。(歯茎に注射をするので「痛そう」というイメージだけはあるかもしれません)
しかし、それとは違い、全身麻酔は眠るようなイメージですよね。そのとき麻酔器にはモニターが取り付けられており、患者の状態を確認しています。
そこで今回は麻酔器のモニターに関する話をしたいと思います。

【二酸化炭素を測る?】

麻酔器に取り付けられているモニターで確認しているものの一つに患者の呼吸の状態があります。
そして、呼吸の状態を知るために二酸化炭素の濃度を測定します。なぜ二酸化炭素を測定するかというと、正常に酸素との交換が行われているか見るためです。人間は酸素を取り込んでエネルギーに変えたあと、二酸化炭素として排出します。ですから、二酸化炭素の濃度を測定することが呼吸の状態を知ることになるのです。
この二酸化炭素の濃度を測定する機器を「カプノメーター」と呼びます。二酸化炭素はその濃度により赤外線の吸収量が変化します。それを利用して測定をします。
それから二酸化炭素が排出されるのは息を吐くときなので測定の始まりは呼気からになります。

【波形を見ます!】

カプノメーターのモニターには波形が映し出されます。
基本的な見方としては縦軸が二酸化炭素濃度、横軸が測定時間になります。この波形を映し出すグラフを「カプノグラム」と呼びます。
呼気の始まりを第I相とし、第IV相の吸気の始まりまでを一つのまとまりとし、そのくり返しとなります。
第I相は呼気の始まりになるので二酸化炭素濃度はゼロになります。その後に二酸化炭素は急激に排出されるので第II相にあたる部分はその数値が上昇していきます。それから緩やかに上昇します。そこが第III相になります。第IV相では吸気が始まるので数値は下降していきます。この流れを繰り返している波形が正常なものとなります。
では、正常ではない波形はどんなものか?
代表的な波形を紹介しておきます。それは「波形の突然消失」です。
これは濃度の数値が急にゼロになり、波形が消失してしまいます。この場合、換気を行っていないか、機器の不具合といったことが考えられます。この他にもさまざまな波形が存在しています。
波形の見方を覚えて患者の状態を知るのに役立てていきましょう。

【まとめ】

麻酔器に取り付けらえているカプノメーターについて話をしてきましたが、いかがでしたか。この機器は人工呼吸器にも内蔵されています。それだけ二酸化炭素の濃度を知ることが大切になります。ですから、モニターに映る波形の見方を知ることが患者の助けになるのを覚えていてください。

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