脳波計と周波数を測定する意味について

診断用機器

【はじめに】
人や動物の脳が働くとき、微弱な電気が流れています。それを脳波計で測定し、データ化することによって脳の動きが正常であるか、病気などによってなんらかの異常な状態ではないかを観察します。
ですから、周波数は脳の動きを知るために重要な数値です。
今回はこのことについてお話したいと思います。

【そもそも「周波数」とは】

周波数とは、電波や音波、振動電流など周期波(一定時間で同じ現象、運動が繰り返される測定した波)の毎秒ごとの繰り返し数のことを指します。
単位はHz(ヘルツ)で表され、テレビやラジオにも応用されています。

【脳にとって周波数を測定する意味とは】

外傷などとは違い、私たちの目では、脳の中を見ることはできません。
脳波を解析するということは、複雑な電気信号を数学的な手法を用いて分析するということを意味します。それは、客観的な判読や評価を助けます。
脳波という周期的な波動を調和的関係にあるsin波(正弦波)の集まりと仮定し、構成要素となる周波数成分をFFT(高速フーリエ解析)という手法で分析していきます。

【脳の周波数】

脳波は波形と周波数の帯域により下記のように分類されます。
・α波(アルファ波、8~12Hz)
・β波(ベータ波、13~25Hz)
・γ波(ガンマ波、25~26Hz)
・δ波(デルタ波、0~4Hz)
・Θ波(シータ波、5~7Hz)

これらの名前がつけられた脳波が全般的、持続的に現れ脳波の大部分の活動を形成しています。これを「基礎律動(背景脳波)」といいます。
基礎律動は覚醒度や年齢、薬物によって変化します。病態には基礎律動が異常を示すケースもあります。

健常者は一般に安静、開眼、覚醒状態時や後頭部などを中心にα波が多く出現します。
25~65歳の正常な成人は9~11Hzのα波が後頭部優位に出現して、開眼、光、音刺激などによって抑制されます。この時、周波数の変動は1Hz以内です。

α波を基準にし、それより周波数の遅い波形を「徐波」、周波数の速い波形を「速波」といいます。

【まとめ】

脳波計を測定するモニターにはその動きが波のような線で現れます。
このように脳波を周波数の帯域で名前をつけて、それをもとに今脳の活動がどのような状態であるのかを測定します。
また、脳波を解析するには、脳波計だけではできません。データ解析装置やパーソナルコンピューターなどに脳波信号を出力するなどをして総合的に解析を行います。

参考にしてください、ありがとうございました。

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