肛門外科とは?診療対象となる疾患や診察・治療方法を簡単に紹介

肛門外科とは、肛門や直腸に関する疾患が専門の外科です。
痔や肛門周囲の疾患、便秘、便失禁などの診察や治療を行います。
そこで、肛門外科について、診療対象となる疾患や診察、治療方法を簡単に紹介します。
肛門外科とは
肛門外科とは、肛門もしくは肛門周辺の症状や病気を診察する診療科です。
多くは痔に関係する症状がある方が受診します。
痔は日本人の約3人に1人が悩む国民病であり、デリケートゾーンのため受診をためらう方が少なくありません。
肩こりや腰痛などのように目立ちにくいものの、放置し続けても改善はせず、肛門がんや他の病気の要因になる恐れもあります。
そのため、痔の症状が見られるときには、悪化させる前に肛門外科を受診することをおすすめします。
肛門外科の診療対象となる疾患
肛門外科は、痔をはじめとする肛門に疾患のある患者が診療の対象です。
痔とは、肛門周辺の病気であり、便秘・下痢・排便時のいきみなどを原因で起こると言われています。
肛門に負担がかかると、内肛門括約筋と粘膜の間にある組織がうっ血し、血行障害で痔核(いぼ痔)になることがあります。
便秘の際にも、排便時にいきみ続けることでうっ血を起こしやすくなり、硬くなった便が肛門を傷つけて裂肛(切れ痔)を起こしやすくなってしまいます。
他にも刺激物やアルコールの過剰摂取などによる下痢や冷えでも肛門に負担をかけるため、生活習慣にも注意してください。
肛門外科の対象となる症状は、肛門周辺の痛み・腫れ・出血・脱出・残便感・かゆみであり、痔核(イボ痔・内痔核・外痔核)・裂肛(切れ痔)・あな痔(痔瘻)などいろいろな種類があります。
肛門外科の診察・治療方法
肛門外科で扱う痔は生活習慣病ともいわれ、規則正しい食事・排便・入浴なども関係します。
治療方法としては、まずは軟膏や座薬などの投薬を使います。
軽快しない場合は手術が必要ですが、医師が必要と判断すれば日帰り手術も行われます。
お尻に痛みがるときや、かゆいと出血があり、痔のような出来物が見られるときには肛門外科を受診しましょう。
痔はデリケートな部位に発症する病気のため、打ち明けにくく受診をためらう方も少なくありませんが、めずらしいわけではありません。
恥ずかしさなどがある場合でも、痔の症状には直腸がんや肛門がんなどの重篤な疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。
鑑別をしっかりと行うことが必要なため、症状が気になる方は肛門外科を受診してください。