喉の異変を観察できるファイバースコープとは?

診断用機器

ファイバースコープを使った検査は、上部消化器官の観察がよく知られていますが、喉の疾病を早期発見することでも知られるようになりました。国内においては、喉周辺のがんによる死者数が増加傾向にあるという調査報告もあることから、その検査も増加傾向にあります。こちらでは、喉の異変を観察できるファイバースコープについて説明します。

喉の異変を観察できるファイバースコープとは?

喉の異変をうったえる症例は、急性喉頭蓋炎、扁桃悪性リンパ腫、咽頭がんなどがあります。それぞれの病気を発見するには、咽頭ファイバースコープを使った検査や、同時に組織を採取して組織生検をおこなうことになります。

咽頭ファイバースコープとは、声帯のある喉頭を検査する最も一般的な検査です。直径3ミリの細いファイバースコープですので、鼻から検査することができ、喉から挿入する時になる反射が少なく、楽に検査できます。

ファイバースコープと胃カメラを同じものだと勘違いされ方もいらっしゃいますが、咽頭ファイバースコープのように、部分的に観察できる機器もあることから、胃カメラとは全く異なる医療機器です。

ファイバースコープの形状は、挿入管の先にCCDカメラ及び照明用の豆ランプが装着されており、先端部分が病変部位に到着するまでの間もリアルタイムで確認することができ、記録されるようになっています。送気や排水管なども付いていることから、画質が高いハイビジョンで再生できるのも特徴です。

咽頭ファイバースコープの使用方法

咽頭ファイバースコープの使用法に関しては、以下のようになります。(こちらでは主な製品の使用方法となります。製品に関しては異なる場合がありますので、使用する機器の取扱説明書をよく確認してください。)

①検査準備
〇患者には、麻酔を施しておきます。
〇内視鏡の吸引口金に吸引装置を、光源接続部に携帯用小型内視鏡用光源装置または、タイトガイドケーブルを介して内視鏡用光源装置を接続し、光源装置のランプを点灯させます。
〇使用前点検として、内視鏡の外観、弯曲機能、吸引機能、接眼部の画像を確認してください。異常がある製品は使用しないでください。

②気管内チューブの挿管
〇内視鏡は経口的に挿入しますが、挿入に際して内視鏡に気管内チューブを取り付けた状態でおこないます。
〇内視鏡を案内にして、気管内チューブを気管内に進めます。
〇内視鏡により、気管内チューブの先端位置が適切な位置にあることを確認します。
〇カフを膨らませて気管内チューブを留置し、内視鏡を抜去します。

③スコープの挿入及び検査
〇内視鏡は経口的に挿入します。
〇咽頭などの肉眼的診断に加えて、次の補助的操作をおこなうことができます。
・鉗子口より生検鉗子は、細胞診ブラシを挿入して組織、細胞標本を採取する。
・鉗子口は、吸引口金より気管支内洗浄液を吸引採取して細胞検査をおこなう。
・内視鏡の接眼部に写真撮影装置を装着し、粘膜面の性状を撮影する。
〇検査終了後も粘膜面を精査しながら肉眼鏡を静かに引き抜きます。

④使用後の手入れ
〇使用した内視鏡は、取扱説明書に従って、再処理を施してください。

まとめ

喉は、上咽頭、中咽頭、下咽頭などがあることから、がんになると早い段階から浸潤がおきる厄介な箇所です。しかし、喉のファイバースコープも目まぐるしい進化を遂げています。3D内視鏡の登場は複雑な立体構造を表現できることから、スムーズな手術も可能となります。このように、医療機器の発展は臨床的にも大きな役目を果たしています。

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