CT装置の6項目の点検と法定耐用年数について

診断用機器

医療施設には、CT装置を設置しているところも多いと思います。そのCT装置の法定耐用年数は何年になるのでしょうか。また、法定耐用年数とは異なり、実際の使用可能な年数を増やすために、どのように点検していけばよいのでしょうか。今回は6つの点検項目とともに、耐用年数について一緒に見ていきましょう。

耐用年数とは

減価償却資産の取扱いで使用する「耐用年数」とは、減価償却の対象となる資産を、一般的な用途で使用した場合、予定される効果が見込まれる年数のことで、法定耐用年数は財務省令(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)で定められています。

CT装置の保守

CT装置は日常的に点検をすることが必要です。点検すべき項目は以下の通りです。

①コンソール
〇システム電源ON後、コンソールが正常に動作すること
〇各種表示灯が正常に点灯し、警告やエラーメッセージが表示されていないこと
〇異常音や異臭がないこと
〇ハードディスクの残容量が充分であること
〇コンソールが正常に終了すること
〇撮影済みの画像に未転送や未処理がないこと
〇システムの時計の時刻に誤差がないこと

②X線管ウォームアップ、エア・キャリブレーション
〇X線管ウォームアップが正常に終了すること
〇エア・キャリブレーションが正常に終了すること

③ガントリ・寝台
〇ガントリや寝台に破損や変形、汚れ、針などの異物や障害物がないこと
〇ガントリチルトが正常に動作すること
〇寝台の上下動・水平動が正常であること
〇ガントリや寝台のインターロックが正常に動作すること
〇患者周辺部の保護機能(タッチセンサー等)が正常に動作すること

④ポインタ
〇ポインタが点灯し、左右ずれがないこと

⑤画質
〇ファントムをスキャンして、CT値やSD値が適正であること
〇ファントムをスキャンした画像でムラがないこと
〇ファントムをスキャンした画像でアーチファクトがないこと

⑥警告ラベル
〇警告ラベルに汚れや破損・はがれがないこと

CT装置の耐用年数

財務省が掲げている耐用年数によれば、CT装置の耐用年数は6年になります。

この「耐用年数」とは、正しくメンテナンスが行われているという前提で、CT装置が導入されてからの耐用できる年数になっています。医療機関で使用している環境によって、実際に使用できる年数とは異なりますので、気をつけてください。

まとめ

CT装置の点検項目と耐用年数について見てきました。法定耐用年数は6年ですが、使用している環境によって、実際に使用できる年数は異なってきます。日常的な点検について、6項目挙げさせていただきましたが、これらを確実に行うことでエラーを未然に防ぎ、使用年数を増やすことができます。医療従事者はこの点において、細心の注意を払っていきたいものです。

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