大腸外科とは?特徴と対象となる疾患・治療方法を簡単に紹介

大腸外科とは、小腸・結腸・直腸・肛門などの消化管の下部消化管に起こる疾患が専門の診療科です。
多くは大腸がんの手術に対応しますが、他にもクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患・良性疾患・肛門疾患なども対象になります。
そこで、大腸外科について、特徴と対象となる疾患、治療方法を簡単に紹介します。
大腸外科とは
大腸外科とは、小腸から、結腸・直腸・肛門までの管状の臓器にできた疾患を専門とする診療科です。
特に40歳代から増加し始める大腸がんを中心に対応する診療科といえます。
大腸外科の特徴
小腸に続く大腸は、結腸・直腸・肛門まで、1.5メートルから2メートルに及ぶ管状の臓器です。
この管にできるがんが大腸がんであり、がんの発生した部位によって、結腸がんや直腸がんなどに分かれます。
大腸がんにかかる罹患率は50歳代から高くなり、さらに高齢になるほど上がります。
男性の罹患者数は前立腺がんや胃がんに次ぐ3位であり、女性の罹患者数は乳がんに次ぐ2位です。
早期発見と適切な治療が重要といえますが、がんの部位や進行度で、内視鏡治療・手術治療・全身化学療法・放射線療法・対症療法などの単体または組み合わせでの治療で対処しますが、大腸外科では手術による治療を行います。
大腸外科の対象疾患
大腸外科では、結腸・直腸・肛門などの大腸と、小腸に関わるいろいろな悪性疾患について、治療・手術を行います。
そのため、大腸外科で対象となる疾患は以下のとおりです。
・大腸がん(結腸がん・直腸がん・肛門管がん)
・消化管神経内分泌腫瘍
・消化管間質腫瘍(GIST(ジスト))
・転移性大腸がん
・大腸がん術後再発
・遺伝性大腸疾患(家族性大腸腺腫症・リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん))
・骨盤内肉腫(サルコーマ)
・十二指腸を除く小腸腫瘍
大腸がんは近年著しく増加しており、ステージに応じて治療内容が異なります。
大腸外科の治療方法
大腸外科では、病名診断以外に、がんの拡がりなどを確認して最適な切除範囲を決めることが必要です。
内視鏡・CT・MRIなどを使って検査を行い、外科医の視点での診断を行い、治療法を提示する流れとなります。
専門内科や麻酔科などの診療科とも連携し、安全な手術を行うように心がけることが必要です。
そのため、検査と治療を行う前には、患者に十分な説明を行います。
治療方針を決めるときには、患者の自己決定権を尊重することが求められます。