心電図によって動脈硬化の判定は可能?

診断用機器

動脈硬化とはその名の通り「動脈が硬くなること」をいいます。
血管は血液や糖分、酸素など人間が活動するために必要なものを運び、また二酸化炭素や毒素といった老廃物を運ぶ役割を担っています。これらの役割が果たせなくなればあらゆる異常が身体に現れ、重篤な病態へ繋がるケースも少なくありません。 

○動脈硬化のタイプは2種類

動脈硬化のタイプは2種類に大別されます。
①アテローム動脈硬化
血管の内膜にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が付着することにより血管内がせまくなったり、血管が脆くなったりすることで血流の循環が悪くなります。

②石灰化
血管の中膜にカルシウムが沈着することで血管が硬くなる状態を「石灰化」といいます。石灰化が進行すると血管の伸縮性が失われ動脈瘤や血管破裂(出血)の原因となります。

○動脈硬化を診断するための検査

動脈硬化を診断するための検査として「PWV検査」と「ABI検査」があります。いずれの検査も5~10分程度で測定をすることが可能で、臥床しているだけで痛みや不快感を伴うこともありません。人間ドッグでは3000〜5000円程度のオプション追加で検査をすることが可能です。

●PWV検査

PWV(脈波伝播速度)検査とは動脈壁の硬さを調べることで動脈硬化の進行具合を評価する検査です。心臓の拍動から四肢末梢まで達するまでの速度を測定し、速度が速ければ動脈硬化が進行していると判断されます。

●ABI検査

ABI(足関節上腕血圧比)検査とは上腕と足部の血圧を比較することで動脈の閉塞・狭窄を評価する検査です。ABIの数値が低ければ動脈硬化が進行している可能性か高いと判断されます。

○心電図による動脈硬化の判定は可能?

心電図は心臓が発する電気信号を読み取ってさまざまな病態の診断や検査に用いられる検査です。あくまで電気生理学的な検査であるため、直接動脈硬化の具合を判定することはできません。しかし、マサチューセッツ州のフラミンガムによって行われた疫学検査で心電図の異常と動脈硬化が合併すると心疾患に繋がるリスクになると発表しています。そのため、動脈硬化を診断する手がかりとして心電図を測定することもあります。心電図の異常では、特に左室肥大が重篤なリスクになります。

○左室肥大とは?

左心室は血液を全身へと送り込む部分にあたるため、肥大が起こると十分に血液を送りこむことができない、また心臓自体への血液供給が不足する心筋虚血の原因となります。

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