脳波計の電極の意味や脳波検査の手順について

診断用機器

【はじめに】
脳はその活動に伴って非常に微弱な電流を放出していて、脳波検査とは頭部に電極を装着しその微弱な電流を増幅させて波形として記録していく方法です。

今回脳波計の電極についてと脳波検査の目的、手順などについて紹介してみたいと思います。

【Z電極の意味】

「はじめに」でも述べたように、脳波を測定するときには微小な電気信号を差動増幅器で増幅して測定していきます。

この増幅器の構成としては+、-の電極とニュートラルの3つの電極が必要になってきます。
まず差動増幅器によって周囲のノイズを打ち消した後、逆相で入力される脳波信号を増幅していきます。

それからZ電極と呼ばれるニュートラル電極を前額部に装着していきます。

ニュートラル電極は「アナログ脳波計」と「デジタル脳波計」で意味合いが異なり、アナログ脳波計では電気的な患者回路が分離されていないのが特徴になります。一方のデジタル脳波計は電気的患者回路が分離されていて増幅器の基準点となるZ電極は同電位でないことになります。

【脳波検査の主な目的】

脳波検査の目的は以下3つに分けることができます。

・脳死の判定
・てんかんの診断
・意識障害の判断

【脳波検査の手順】

脳波検査を行うときにはまず、
1.「患者を検査台に仰向けにして臨床」させ、
次に2.「電極を当てる部位をアルコールで消毒」します。
それから、3. 「電極糊を擦りこんでそのうえに電極を置き支持器で支え」ます。
4. 「検査」をします。
5. 「電極を外し、アルコール綿で電極糊を拭き取り」ます。

(注意点)
・通常脳波の記録は覚醒時、安静時、閉眼時の3つ取ります。
・てんかんの検査の場合、負荷脳波記録も取ります。
・光刺激や薬に対する脳波変化を調べるケースもあります。
・検査前に排尿を済ませておく
・検査中は刺激を与えないように談話や人の出入りを避ける

(準備するもの)
・脳波計
・電極
・アルコール綿
・電極糊
・減菌ガーゼ
・支持器

【まとめ】

いかがでしたか?今回詳しく説明できませんでしたが、電極には配置方法があり「10-20法」と言われる方法では頭の12部位に電極を取り付けていきます。またこの方法の利点は以下5つあります。

・何度検査してもほぼ同位置に配置できる
・各電極間の距離をほぼ同じくできる
・大脳の全領域をカバーできる
・頭の大きさに関係なく一定部位に電極配置ができる
・電極に対応する大脳の解剖学的部位が確認されている
などがあります。

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