脳波計と電極の関係について

生体現象測定記録・監視用機器

脳波計は頭部に電極を配置し、脳の状態を調べる医療機器です。波形の特徴を読むことで、脳が正常であるかどうかがわかる仕組みになっています。今回は脳波計の仕組みとその種類について説明いたします。

脳波計とは?
頭部に電極を配置し、脳から出ている微弱な電気信号を読み取ります。これを記録し読み取ることで、脳の状態がわかるという仕組みです。例えばてんかんや意識障害などの傷病を確認することができ、医療技術として大変に有意義なものとなっています。

歴史的にはイタリアの解剖学者、生理学者ガルバーニが、カエルを使った実験から生物と電気の関係を発見したことから始まります。そこからさらに、人間の脳波からその状態を読み取る研究がなされ、現在の技術に至っているのです。

脳波計の仕組み
脳波を測定するため、頭皮の上に電極を配置します。そこから頭蓋骨・頭皮・髄液・硬膜などを通し、どの部位からどれくらいの電気信号が出ているかを検知します。もし正常な量の信号が出ていなければ、統計上のデータと見比べ、病態を突き止めることができるのです。

疾病の例として、てんかん・意識障害・睡眠障害・認知症などの機能低下・脳死の判定などが挙げられます。またCTやMRIなどの補助として、脳腫瘍・脳血管障害・頭部に外傷があるかどうかの判定にも使用されます。

電極の種類
頭皮に配置する電極の箇所は、通常国際脳波学会が推奨する「10/20法」というものに準じており、耳に装着するアースを除き、全部で19箇所に指定されています。以下に配置したそれぞれの電極が検知する脳の部位を示します。

・前頭極(左右)
・前頭(左右・中央)
・下前頭(左右)
・中心(左右・中央)
・頭頂(左右・中央)
・後頭(左右)
・中側頭(左右)
・後側頭(左右)

これが通常の配置となりますが、検査の目的などにより、電極の数や配置する箇所も変わることがあります。

脳波の種類にもいくつか有り、その信号の大きさなども存在します。通常であればこの部位からはこれくらいの強さの信号が出ているはずという感じになります。もしそうでなければ、何らかの異常が見られる可能性があるというわけです。

脳波の読み取り
周波数により脳波はα波、β波、δ波、θ波に分類されますが、検査では全般的・持続的な律動(背景活動)を調べます。また、これらとは明らかに区別される波形パターンや突発波数を調べるのです。

電極を通して検出された電気信号により、脳波のパターンが測定されます。それを蓄積されたデータと見比べ、脳の状態が正常であるか、あるいは何らかの異常があるかを読み取る形になります。

脳波の情報は日々蓄積・更新され続けており、これらの勉強は不可欠であると言えます。膨大な内容ではありますが、何よりも患者のため、診断に間違いがあってはいけません。平素からの学習、そして診断に当たるときは冷静な心構えで臨みたいところです。

まとめ
脳波計と電極の関係について説明いたしました。測定を行うのは機械装置ですが、そこから出力されたデータを読み解くのは現場にいる医療関係者です。患者にとってはとても重要な事柄ですから、診断に万が一のことがないよう、勉強と冷静な分析を心がけましょう。

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