医療機器等製造販売業許可とは?取得する意味や今後の課題を簡単に紹介
医療機器等製造販売業許可とは、医療機器や体外診断用医薬品の販売において必要な許可 です。
製造または輸入した医療機器を日本国内で販売するために、必ず取得する必要のある許可といえます。
平成17年(2005年)4月に施行された改正薬事法(医薬品医療機器等法)で新たに導入された許可制度です。
従来までであれば、製造業者が製品を直接販売することができました。
しかし国際基準との整合を図るために、製造と製造販売を分けたため、現在は製造販売業者が流通責任を負います。
そこで、医療機器等製造販売業許可について、取得する意味や今後の課題を簡単に紹介します。
医療機器製造販売業許可を取得する意味
医療機器製造販売業許可を取得する意味は、主に次の2つです。
・国内で医療機器を正規販売・正規輸入できる
・国際的に認められた品質管理体制の整備により信頼性が高まる
ただし、取得することで以下の義務を負うことは理解しておきましょう。
・有害事象に関する報告義務
・製品回収と安全確保の措置を徹底する義務
・品質と安全性を維持する継続的改善を行う義務
医療機器製造販売業許可の目的
医療機器製造販売業許可が制度として設けられているのは、以下の目的があるからといえます。
・流通責任を明確化する
・国際基準へ対応する
・利用者保護と医療安全を整備する
流通責任の明確化する
医療機器製造販売業許可が制度として設けられているのは、流通責任の明確化が必要だからです。
製造販売業者は、市場に出回る製品の品質・有効性・安全性に関する最終的な責任を負います。
製造委託や輸入においても、許可を取得した販売業者が品質管理・不具合への対応を行わなければなりません。
国際基準へ対応する
医療機器製造販売業許可が制度として設けられているのは、国際基準へ対応するためです。
欧米の法制度に合った製造工程の管理責任と市場流通責任を分類することにより、国際水準によるトレーサビリティや安全管理を担保します。
利用者保護と医療安全を整備する
医療機器製造販売業許可が制度として設けられているのは、利用者保護と医療安全を整備するためです。
許可制度を通じて欠陥や不具合への迅速な対応が可能となるため、情報提供や回収ができる体制を整えます。
医療機器製造販売業許可の課題
医療機器製造販売業許可の取得において、製造販売業には総括製造販売責任者の配置が義務付けられています。
責任者になれるのは、薬学や理工学系の学位の方や、一定の業務経験などの資格条件を満たす方です。
品質保証システムを整備することも必要であるため、責任者配置や品質管理体制の整備が大きな負担となると理解しておきましょう。


