これだけは知っておこう 心電図の基本

生体現象測定記録・監視用機器

健康診断でおなじみの「心電図」。名前になぜ「電」という言葉がもちいられているのでしょうか。これだけは知っておきたい、心電図の基本のきほんについて詳しくご紹介します。

心電図検査とはどのようなものか

心臓の動く回数は正常か。心臓が動くリズムは規則正しいか。心臓に負担がかかっていないか。を、確認するための方法として「心電図検査」があります。心電図検査は、健康診断などで病気発見の最初の一手としてよく用いられます。

手軽にできて、しかも患者さんに苦痛を与えない心臓の最も基本的な検査です。検査は、ベッドに仰向けに寝た状態で、左右の手首そして足首の4カ所と、胸6カ所に電極を貼り付けて行います。手足についている電極が冷たく感じるのは、電気の伝導をよくするために生理食塩水で濡れているからです。

また胸部にはケラチンクリームを塗って、同じく電気の伝導をよくするために行います。わたしたちの身体と電気はどのような関係があるのでしょうか。また、電気はどこから生まれているのでしょうか。

人間の身体と電気

1日平均10万回も働く、にぎりこぶしサイズの心臓。心臓は、「電気」が起爆剤となって活動しています。心臓内の洞穴節(どうけつせつ)という場所で「電気」がつくられます。電気がはりめぐらされた回路を流れると筋肉が興奮し、規則的に動くのです。

その電気の流れを診えるように記録したのが心電図です。心電図は、電気の流れが正常であるかどうかを観測し、そして容態を判断するために行うのです。

人間の身体を構成する物質には、電気に反応する塩分やマグネシウムなども含まれています。そのため、わたしたちの身体は微弱な電流でも電気を流しやすいという特徴があります。その電気をキャッチし記録しているのが心電図なのです。

心電図検査による測定データは、帯状の記録紙に波形として記録されます。その心電図波形は、心臓が拍動する際に流れる電気の様子を示すものです。拍動が周期的に繰り返されるのと同じように、複数の波の繰り返しとなって描図されます。

1つの拍動について心電図上で見たとき、最初におこるのがP波です。これは、心房の興奮を表しています。次の印象的な大きな波は、心室への興奮の広がり方を示すQRS波。そして心室の興奮がさめることを示す波がT波です。主にこれら波の高さと深さ、幅をみることで心臓の状態をモニタリングします。

これらの電気の流れ方から、正常であるかどうかを判別するのが心電図の役割です。心臓を流れる電気について、誘導という12の方向から観察し、心臓の全体像をしっかりと把握するため検査が行われるのです。

これからの心電図機器

1903年、オランダの医学者アイントーベンによって考案されたとき、心電図は部屋2つ分を占領するほど大きなものでした。現在では、コンパクトなサイズになり持ち運びができる携帯型心電計が開発されています。簡単な操作で脈拍や心電図を読み取り、しかも約30秒で記録をとることができます。

自動判定ができる心電計が販売され、機械によっては電気軸も自動的に計算するまでの技術が開発されるようになっています。

まとめ

以上の内容を要点にまとめると、以下の通りとなります。
・心電図は、心臓が正常に働いているか確認する検査。
・心電図は、心臓の電気の流れを計測するものである。

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