CT装置の清掃について

診断用機器

新型コロナウイルスに限らず、医療機関では常に様々な感染症に罹患するリスクを伴います。患者さんが直接触れる検査装置は使用する度の清掃・消毒などの感染症対策が非常に重要になってきます。CT装置も同様に感染症対策を取らなければいけません。今回はCT装置の清掃について見ていきたいと思います。

CT装置の清掃・注意点

CT装置の清掃にはいくつかの注意点がありますので以下にまとめます。

・清掃はCT装置の電源を切った状態で行いましょう。清掃中にスイッチに触れてしまった時の誤作動を防ぎます。(清掃中に誤作動を起こすと怪我をする恐れがあります)

・清掃をする際、可燃性、爆発性のガスを絶対に使用しないでください。CT装置の中に入った場合、火災、爆発の危険性があります。

・CT装置には指定の清掃・消毒用薬品を使用し、定められた濃度・使用頻度を守って清掃をしましょう。

CT装置の清掃可能な場所

CT装置には清掃可能な場所が指定されていますので以下にまとめます。

・ガントリカバー
・寝台カバー
・寝台天板
・寝台付属品(ヘッドレスト、アームアップホルダー、マット類)
・操作画面・キーボード

CT装置の各部分の清掃方法

CT装置の各部分の清掃方法を以下にまとめます。

【ガントリカバー】
・清掃には中性洗剤を使用する。
・柔らかい布などに洗剤を染み込ませてから拭く。(スプレーなど噴霧は禁止)
・カバーを拭く時に接合部など内部に洗剤が入らないよう注意する。
・ケーブルなどの接続部などにも洗剤が付かないよう注意する。
・洗剤を染み込ませた布で拭いた後は乾いた布でから拭きをする。

使用すべきでない洗浄液として、研磨剤入り洗浄剤、シンナー・ベンジン有機溶剤、アンモニアを発生する薬剤などがあります。

【寝台カバー】
・ガントリカバーと同じ注意点。
・バンドなど合成繊維、合成皮革の寝台付属品に対する消毒にはアルコール使用禁止。
・マットレスなどは家庭用塩素系漂白剤も使用できるが、サービス確認が必要。

【操作パネル・操作ボタン】
・電子機器部分にはドライクリーニングを使用する。
・電気部分には洗剤液や消毒液の直接の噴霧禁止。

CT装置の清掃・消毒の頻度

CT装置の清掃・消毒の頻度は、理想的には患者ごとに行うのが良いのですが、現実的にそれは大変難しく、塩化ベンザルコニウムなど第四級アンモニウムを含む清掃消毒用ワイプなどを使用し、寝台やガントリなどを拭くことでウイルスを減少させます。また、一定時間ごとに消毒用の低濃度のエタノールなどで消毒をします。高濃度のエタノールについては機器メーカーに確認が必要です。

まとめ

ここまでCT装置の清掃について書いてきましたが、これは感染症対策として非常に重要なことですし、また、清掃の注意点を守らなければ危険なことも出てきます。清掃の注意点、清掃する場所、方法、頻度などを正しく理解してしっかりとした感染症対策が取れるよう注意が必要だと言えるでしょう。

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