新型コロナウイルス感染症に関連する3つの検査方法とは

診断用機器

医療機関では新型コロナウイルスに感染しているか検査する場合、結果判定までの期間を考慮してPCR検査を行っています。

他にも特別な検査機器を必要とせず、時間をかけずに結果を知ることのできる「抗原検査」や、過去の感染や抗体の有無を知りたい方に向けた抗体検査を行っている状況です。

そこで、新型コロナウイルス感染症の流行により、一般的に世間に知られるようになった3つの検査方法について説明していきます。

PCR検査とは

「PCR検査」とは、専用の薬液を使って対象とするウイルスの遺伝子を増幅させ、検出させる検査です。

鼻や咽頭を拭い採取した細胞を使って検査しますが、感染から発症数日前であれば検出できます。

検査をしたときに体内にウイルスが存在するか知ることができますが、ウイルスが検体の採取部分に存在していなければ陰性となる可能性もあるなど、感度は70%程度のため感染ではありません。

ただ、新型コロナウイルス感染診断で鼻または咽頭をぬぐった液や唾液の有用性は、発症9日以内なら良好な一致率との認識です。

そのため発症から9日以内であれば、唾液を使ったPCR検査も可能とされています。

抗原検査とは

対象とするウイルス抗体を使って、ウイルス特有のタンパク質を検出する検査が「抗原検査」です。

検出率はPCR検査より劣るものの、特別な検査機器も必要なく、時間をかけずにできる方法として使われています。

抗原検査で陽性が出た場合は診断が確定しますが、陰性となったときにはPCR検査を行うことが必要とされていました。

しかし発症2日目から9日以内の有症状者は、抗原検査とPCR検査の結果が一致する割合が高いという認識のため、この期間内の有症状者は抗原検査が陰性でも確定診断できるようになっています。

抗体検査とは

対象とするウイルスに過去、感染していたか調べる検査が「抗体検査」です。

ウイルスに感染したときにはタンパク質が形成されるため、血液中にそのタンパク質が存在しているか調べる検査となっています。

人の体内にタンパク質(抗体)ができるまでは一定の時間がかかるため、今対象とするウイルスに感染していないことを証明する検査に使うことは困難です。

なお、ウイルス感染だけでなく、ウイルス予防のワクチンを打ったためにできた抗体でも陽性を示します。

なお、日本の薬機法上、体外診断用医薬品として承認を得ている抗体検査はなく、WHOも単独で抗体検査を診断目的に使うことは推奨していません。

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