脳波計における周波数の関係性で診断

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脳波の分類は、様々な要素を含んでいます。大人や子供と、正常な状態や異常な状態など、周波数の状態によって判断される材料となります。具体的に、脳波計における周波数の関係性について紹介しましょう。

脳波を判読する脳波の分類

脳波を知る上では4つの脳波を基本として、その他の波形を加え参考にしています。正常な脳波や異常な脳波を判断するのに役立てているのです。周波数は、1秒間に繰り返される波の周期を表しており「ヘルツ(Hz)」を単位とします。

1.α(アルファ)波
8~13Hzの周波数となり、安静時や覚醒時および閉眼状態における正常な成人の後頭部から発する波形を表します。目を開けたままでは、減少する傾向があります。振幅を表すのは、約20~50μVの間です。

2.β(ベータ)波
14Hz以上の周波数となり、前頭部から中心部に記録される波形です。振幅の多くは30μV以下です。速波は、徐波とは異なり正常脳波にもα波とともに出現しますが10~20μVの小さい振幅となり、異常を示す場合には、50μV以上の数値の状態です。

通常時の大人や覚醒している状態、眠りを示す場合や、薬物使用時にも出現します。精神遅滞や頭部外傷および脳手術後などの病状で見られます。

3.θ(シータ)波
4~8Hz未満の周波数となり、徐波(slow wave)として、δ(デルタ)波と区別しています。両方とも覚醒状態にある正常の成人の場合は、通常の場合や目を閉じた状態には出現しないようです。

4.δ(デルタ)波
0.5~4Hz未満の周波数となり、おなじく徐波(slow wave)として、分類します。徐波の特徴としては、幼小児の脳波や睡眠時の脳波に現れます。病的な診断としては、てんかんや脳腫瘍と脳血管障害などの様々な脳機能障害の場合に出現します。

5.その他の棘波(spike)と鋭波(sharp wave)
α波や徐波と速波における波形には、正弦波形を示しており、周波数による区別を行っていますが、正弦波形でない波の場合は、周波数だけでは判断できず、特徴から波形が他の部分に比べてきわだって尖鋭となっており、持続状態から20~70msの場合を、棘波(spike)と呼び、70~200msの波を鋭波(sharp wave)と分けています。

周波数の異常について

基礎律動は、大人が健康である場合や安静覚醒閉眼時でのα(アルファ)波の事を表します。9~11Hzの周波数が後頭部に現れます。基礎律動がα波を基準として遅い場合に徐波化する場合に、異常を示し、ごく限られた狭い範囲での「徐波化」においては、電極近傍に病状が見られます。腫瘍やてんかんなどが、存在する可能性を示しています。

「徐波化」が広範囲に及ぶ場合には、脳形成障害や病巣の多発などがあり、脳変性疾患の可能性を示します。

異常脳波について

基礎律動の異常が持続的ではない場合を、非突発性異常と突発性異常に分けて示しています。

1.非突発性異常
基礎律動と振幅の異常を示す場合の徐波を示しています。

2.α波の徐波化
成人での脳の機能低下がある場合に、安静時にδ波が出ると異常と判断できて、θ波でもはっきり目立つ場合には、軽い症状の場合となります。

3.異常速波
高振幅による速波は、薬剤性の原因を見ますが、内分泌疾患などでも起こります。異常脳波としては、理解を超えた高振幅である時のみ限定します。

4.正常の構成成分の異常
振幅の減少や消失などが局所的に現れた場合に、障害部位に対して振幅の数値が増減します。

5.その他の異常
組織化不良や局所性徐波など異常を示す要素が多く存在するので判断の材料として把握します。

まとめ

脳波計における周波数の関係性を示してきましたが、脳波の診断は、内的な変化と外的な変化で影響を及ぼしており様々な周波数と波形の特徴を把握する事で、脳波の異常を判断する材料として病状の診断に役立てるのです。

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