人工呼吸器・人工透析・人工栄養について解説

生体現象測定記録・監視用機器

「3大延命治療」という言葉をご存知でしょうか?「人工栄養・人工呼吸器・人工透析」の3つの延命治療を指しており、高齢者医療ではこれらの延命治療を家族の判断で続けるのか否かという問題は倫理上の観点からも議論され続けています。ではこの3つの治療法はどのようなことを行うのでしょうか?

○人工栄養について

人工栄養とは脳血管疾患や神経難病、認知症や老衰などによって嚥下機能の低下や誤嚥のリスクが高いために飲食ができなくなった際に経口以外から水分と栄養を補給する方法を指します。人工栄養にはいくつかの方法があります。

●経管栄養法
胃や腸などの消化管にチューブやカテーテルを通して直接栄養を送り込む方法です。胃に造設する方法を「胃ろう」、腸に造設する方法を「腸ろう」と呼びます。
経静脈栄養など点滴で静脈から栄養をとる方法と比較すると、消化管が機能するためより自然に近い栄養投与方法であるため、誤嚥の危険なく消化器の機能を維持できる、介護者の負担は比較的軽いというメリットがあります。一方で胃ろうや腸ろうを造設するために外科的な手術が必要となることがデメリットがあります。

●経静脈栄養
静脈に栄養を投与する栄養法です。消化機能が低下している方でも栄養を摂取できるメリットがありますが、感染症を起こしやすく、在宅での管理が難しくというデメリットがあります。

○人工呼吸器

病気や何らかの原因で換気が維持できない、酸素化できない、呼吸筋が機能していない方に対して生命を維持する目的で用いられます。呼吸管理の目標は人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)ですが、主疾患の治療が困難な場合においては延命のために用いられます。

○人工透析

人工透析とは腎臓の機能を機器にて人工的に補う方法で、機器に血液を通すことにより血中の不要な水分や老廃物を除去することで血液をきれいにして再び体内へ循環させます。原疾患では「糖尿病性腎症」にて人工透析を開始する方がほとんどで、脳血管疾患や心疾患などの重篤な合併症を抱えている方も少なくありません。

一般的な人工透析では1週間に2〜3回の通院、1回に4時間以上もの時間を要します。在宅においてこれほど通院を続けるということは周囲のサポートが必要不可欠となりますが、最近では通院が困難となり社会的入院を選択しなければならないケースも増加しています。それによって社会復帰のための人工透析という要素よりも延命処置のための人工透析という要素が強くなっている傾向があります。

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