【洗浄機】ファイバースコープの感染対策について

診断用機器

近年、ファイバースコープに関する感染対策のガイドラインは各診療科で示されており、耳鼻科咽頭科においても 感染を制御するための対策をしておくことは必須となっています。
ファイバースコープや内視鏡の事故については1976年に米国で初めて消化器内視鏡を介した感染事故が報告されており、1988年に欧米で「内視鏡機器の洗浄・消毒に関するガイドライン」が制定されます。この中でスコープを再生処理するには使用するごとに十分な用手洗浄と高水準消毒薬を実施することが推奨されています。
日本では1985年に内視鏡を介したB型肝炎ウイルスの感染の実態とその対策か日本消化器内視鏡学会消毒委員会より発表されています。

○感染対策としての基本

ファイバースコープを取り扱うことに関して感染対策としての基本を理解しておく必要があります。

①すべての体液や血液には感染性があるものとして取り扱うこと
標準的予防策(スタンダードプリコーション)を基にしてファイバースコープや付属品は使用するごとに毎回同じ方法で処理をしなければなりません。

②ファイバースコープの消毒は十分な洗浄の後に行うこと
ファイバースコープの消毒効果を高めるためには洗浄機にて十分に洗浄した後に消毒を行わなければなりません。

④ファイバースコープを使用する部屋全体の感染対策を行うこと
ファイバースコープに関する感染対策はファイバースコープの洗浄や消毒だけでなく周辺機器やさまざまな機材、床といった部屋全体の感染対策についても注意を払う必要があります。

⑤医療従事者の感染対策
ファイバースコープによる感染は患者様への感染だけでなくファイバースコープを扱う医療従事者への感染対策も重要です。手袋やマスクの着用は基本であり、また洗浄・消毒機に用いる消毒駅には毒性の強い大変もあるため注意が必要です。

○洗浄・消毒について

ファイバースコープ使用後はすぐに水で洗い流しながら酵素洗浄剤を使用してスポンジで血液・体液を除去します。その後、消毒液に一定時間浸して流水ですすぎます。

洗浄機を使用する場合は一般的な機種では生理食塩水や消毒液で浸したガーゼで血液・体液を拭き取った後、ファイバースコープの先端を洗浄機にセットして規定の時間で洗浄を行います。その後、洗浄パイプから消毒パイプにセットして消毒を行い、流水ですすいで完了となります。詳しくは使用する洗浄機の機種に付属している解説書を参考にしましょう。

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