さまざまな心電図の測定方法と装置

生体現象測定記録・監視用機器

心電図は心臓の電気的な活動を記録してグラフ化することで心疾患の診断や治療を行うための検査です。
心臓の働きは時間帯や活動などによって変化しています。そのため、心電図の装置は検査方法に合わせていくつかの種類があります。

○安静時心電図

最も一般的な心電図です。患者様に臥床して頂き、安静にした状態で心電図を測定します。安静時に測定をすることで雑音のない、より正確な心電図を測定することができますが、測定中に身体を動かすと筋電図が混入してしまうため、安静肢位が維持できる方が対象となります。

○ホルター心電図

小型の心電図装置を身につけて24時間以上の日常生活全般における心電図を連続して測定します。安静時心電図では検出することができない一過性の不整脈や狭心症、ペースメーカーのモニタリングにも用いられます。
記録の解析は数分で完了しますが、専門のソフトウェアが必要になります。個人経営のクリニックでは専門の業者へ機器のリースや解析依頼を外注することもあります。

○運動負荷心電図

狭心症の場合、いつも心電図の異常が発生しているのではなく狭心症発作が起こった際に心電図の異常が発生します。狭心症発作が起きていないとき心電図上では健常者と変わらない波形を示す事がよくあります。狭心症発作は運動などの労作により誘発されるため、運動を行うことにより心電図に異常がみられれば狭心症と診断する事ができます。

運動負荷心電図は基本的に心電図を測定しながら運動を行うという方法で行われ、運動の種類や負荷量に合わせてさまざまな方法があります。ポピュラーな方法では「マスター法」といって段差昇降を決められた時間・回数を行う方法があります。その他にも自転車エルゴメーターやトレッドミルを用いることもあります。

○胎児心電図

現在、年間で約100万人の赤ちゃんが生まれていますが、この中で約30万人は胎児のうちに何らかの異常がみられ、さらに約3000人の赤ちゃんに脳性麻痺や新生児腸管壊死などの重篤な先天性心疾患をとなることがあり、大きな問題となっています。(胎児心電図研究会より)

胎児心電図とは特殊な機器を用いて胎児の心電図を描写する技術です。母体の腹壁に電極を取り付けて胎児の心電図を増幅、記録してデジタル解析をすることで胎児の心機能の評価や低酸素状態ではないかといった診察を行うことができます。胎児心電図の普及により従来の超音波検査では検出することができない病態を早期に診断できることが期待されています。

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