心電図検査で「異常なし」と診断された!本当に大丈夫?

診断用機器

【はじめに】
心電図検査では主に不整脈といった「脈の異常」や「心臓の肥大の有無」「虚血性心疾患の存在」などを見つけることができます。
また、仮に心電図検査で異常なしと診断されたからと言って心臓が正常だと安易に決めつけるのはよくありません。
なぜなら最終的に「異常なし」と判断された場合でも、最初に測定した心電図の波形が異常波形の場合もよくあるからです。
今回、心電図で検査される波形が異常なし・異常ありのケースでどのような違いがあるのかについてお伝えしたいと思います。

【どういったときに異常波形は現れるのか?】

心臓の電気刺激の乱れが原因となる「不整脈」は心電図検査では最も記録しやすい疾患といえます。
また、「狭心症」や「心筋梗塞」といった疾患も異常波形として記録されることあります。心臓の筋肉そのものに異常があり心機能が低下する「心筋症」も心電図検査では「異常」とみなされます。

一方、心臓の構造物である「弁」に異常がみられる「弁膜症」といった疾患の場合、症状が進行しないと心電図の波形異常として観察できないので一回の検査で「異常なし」と判断されても油断はできません。

【通常の心電図以外にも心臓の検査はできる!】

安静時の心電図検査で「異常なし」と判断されても、動悸などの不整脈の症状がみられる場合には24時間の心電図記録が取れる「ホルター心電図」を使用することがあります。
また、狭心症の症状が現れているにもかかわらず心電図検査で「異常なし」とされた場合には「運動負荷心電図(トレッドミルテスト)」を受けた方がより精密な記録が取れることもあります。

さらに、心臓の構造、肥大・拡張の有無、弁の働き、収縮機能などを検査したいときには「心超音波検査」がお勧めです。この検査はより精密な心臓の状態が把握でき、しかも20分ほどの短時間で完了します。
その他、狭心症や心筋梗塞の疑いがある場合には「冠動脈CT検査」「心臓カテーテル」検査なども診断の材料となる検査です。

【おわりに】

心臓の検査では本人に自覚症状があっても「異常なし」とされる場合や不整脈があっても最終的には「正常範囲内」と見られることもよくあります。
客観的に見て「異常なし」と判断される場合でも自分が気になってしまう不整脈の場合には治療薬で対処するという方法もあるようです。
最後に、医師や専門機関の診断も一つの判断材料になりますが、「異常なし」と言われたからと言って油断は禁物と心得ておきましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧