心電図が示す波形の基準値とは?

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【はじめに】
心臓は人が生きている間絶えずかつ規則的に拡大・収縮を繰り返し、血液を全身に送り届けるポンプの働きをしています。
心電図ではそんな心臓の電気的な興奮を記録したものということができます。
また心電図で記録される波形にはいくつか種類があり、それぞれの正常値、基準値というものも存在しています。
今回、各波形ごとの基準値についてお伝えしたいと思います。

【簡単に3つの波形を紹介!】

以下、心電図検査によって記録される3つの波形について紹介致します。

・P波
心房の電気的興奮を表したもので心電図の波形で最初に現れる小さい波のことを指します。高さが高すぎる場合には異常を示すことが多いですが、低いときは個人差によるものがほとんどです。
基準値は0.06秒から0.11秒になります。

・QRS波
心室興奮の瞬間にみられる波形です。
基準値は成人の場合、0.06秒から0.10秒で小児の場合、0.04秒から0.08秒となっています。

・QT時間
QRS波発生からT波終了までの時間のことです。
基準値は0.47秒以下となります。

【波形の基準値以外で見られる心電図の異常】

正常心電図のP波の波形は通常上向きとなります。
一方、異常心電図が表す「心房細動」のサインははっきりとしたP波がなく、基線に細かな揺れがみられることで分かります。またこの場合、RR間隔は常に不整脈を示しています。

また、「心房粗動」の場合にはP波が見られず、基線が鋸歯状(のこぎりの歯のようにギザギザである)になっているのが特徴です。
この場合にはF波の全てが心室へ伝えられることはなく2:1や4:1といった割合で伝わります。

さらに心拍数180以上の極端な頻脈や心拍数40以下の極端な徐脈の場合にも心電図上に異常がみられるため緊急の対応が必要となります。

※心電図検査では電極の装着を右と左で間違えた場合にも異常波形を示すことがあります。
もしも、P波、QRS波、T波がすべて下向きに表れているときには電極の装着ミスが原因の場合があります。

【まとめ】

心電図は基本的に心臓が収縮したときに起きる活動電位の「脱分極」と心臓が拡張したときに起きる静止電位の「再分極」を示したものといえます。
また心電図が示す正常波形は周期的なものがほとんどで、その波形には基準値というものがあります。
さらに今回紹介したような心電図が記録する基準値外の波形やデータがみられる場合にはより精密な検査を受けた方がよいといえます。ぜひ参考にして下さい。

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