麻酔器の耐用年数と耐用期間

治療用機器

耐用年数とは、税法上の概念で、減価償却資産が利用に耐える年数のことです。一方、耐用期間とは薬事法で定められている医療機器を普通に使った場合に使用できる期間のことを指します。麻酔器の耐用年数と、耐用期間はどのような違いがあるのかご説明します。

耐用年数とは

耐用年数とは、税務上では減価償却資産について、減価償却を行う期間、年数のことをいいます。簡単にいうと使用できる期間を法的に定められた年数で、耐用年数は、法令で資産の種類によって細かく定められています。

減価償却を終えると、その資産の帳簿上の価値はゼロになります。ただし、実際には耐用年数が過ぎると、その資産が壊れて使用できなくなるなど、資産価値が無くなるというわけではありません。

耐用期間とは

先述した通り耐用期間とは、薬事法の規定で医療機器を標準的に使った場合に使用できる期間のことです。つまり、法律で「明示しなさい」とされている医療機器の、保証期間のことであり、食品でいう消費期限に相当するものです。

耐用期間は個別の医療機器ごとに設定されているのではなく、あくまでも医療機器メーカである製造販売元が自主的に決めることになっています。ただし、自主的にといっても、闇雲に決めていいわけではなく、厚生労働省のガイドラインに従って設定されています。

現在使用されている多くの医療機器の耐用期間は、4~7年程度に設定されていることが多く、また税法上の耐用年数にあわせ5年としている製品が多く見うけられます。

なお、耐用期間を過ぎて使用を続けていた場合に何らかの医療事故などが起きた場合は、使用者および医療機関の管理者の責任となります。

麻酔器の耐用年数は

医療機器の寿命に関する定義については、税法上の耐用年数と薬事法上の耐用期間があることがわかりました。

減価償却の概念に基づく税法上の耐用年数は、当然ながら、過剰な課税にならないように設定されます。薬事法上の耐用期間は、安全と有効性からその品質を保証できる期間として設定されます。

耐用年数は、国税庁が公表している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定められているのですが、具体的な機器名ではなく、仕組みや用途で分類がされています。

それを基に麻酔器の特徴を当てはめてみると、「構造又は用途」では「医療機器」に該当します。次の項目「細目」では、麻酔器は手術に用いられる機器であることから、「手術機器」に該当することになります。

手術機器は、耐用年数5年と定められていますので、麻酔器の耐用年数は5年ということがいえるでしょう。

まとめ

麻酔器の耐用年数と耐用期間について見てきましたが、医療の現場における安全で的確な診断・治療には、医療機器の安全性と性能の維持が必要です。税法上の耐用年数や薬事法上の耐用期間の範囲内であっても、保守点検は必要となりますので、適切な点検実施を行いましょう。

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