手術台の高さとは?

治療用機器

手術台と一言で言っても、術式に合わせて様々な台が存在します。執刀医の身長や術式の方法・患者の病変部位・患者の体躯などの諸条件で、手術台における高さというものは変動します。その為、手術台はその変動に対応出来るものが必要です。どの様な手術台があるのか、手術台に付随する重要事項などを加えて手術台についてご紹介します。

手術台とは

手術台とは通常術式において、患者がその台に仰向けになり術者の医療処置行為を受けるための重要な医療器具の一つです。その手術台はどの様に機能するのでしょうか。では、代表的なものを挙げ紹介しましょう。

①電動手術台
電動モーターが付いており、台の動きは殆どの場合リモコン操作で出来ます。電動アクチュエータという装置を介して行われます。

②油圧式手術台
油圧駆動システムを使っていて、ペダルで操作出来ます。

電動式と油圧式など代表的なものをとり挙げましたが、違う動作モードを組み合わせることが出来る台もあります。例えば、油圧アクチュエータで調整可能な台と電動アクチュエータで調整可能な台とを組み合わせて使用することも出来ます。

手術台の高さや傾斜角などは、電動式タイプや油圧式タイプにより自由に設定出来ます。また手術台の動作モードは使いやすさだけでなく、メンテナンスや設置条件にも影響することに注意して下さい。

手術台の高さというものは、執刀医の身長・手術の方法・病変部位の位置・患者自身の体躯の違い(大人か幼児か)・術式において手術顕微鏡などの特別器具を使用するか否か・患者の術時体位などの諸条件で変動してきますので、手術台はその諸条件に応えられる台でなければなりません。

手術台にはどの様な種類があるのか?

各台の傾斜と高さは調整可能です。術者により快適に医療行為が出来るように作られています。その他に複数の付属品を追加することが出来ます。どの様な術式かにより手術台のタイプを決定します。以下はその種類です。

万能手術台

一般的な手術(または消化器官)ならびに小手術で使われます。汎用性があり、膀胱・プラスチック・心血管など様々な手術に適応出来ます。

専門手術台

専門的な術式に使用され、その構成や付属品によって種類が異なります。

1.整形外科手術台は、脚サポートと検索装置の併用が可能です。取り扱いと操作が簡単であり、患者を楽に動かすことが出来ます。

2.眼科用手術台は特殊なヘッドレストを備えた手術台です。

3.婦人科用手術台はGoepelタイプの足の支え付きで、台を寝かせたり起こしたり出来ます。

外来手術の際は、固定された手術台(地面に固定された土台に設置されたもの)よりも、移動可能な手術台(通常は車輪上)の方が使われています。

台の技術的要件とは?

手術台の維持や設置する際に考える必要事項には、どの様な要件があるでしょうか。それは電源、サイズ、必要な付属品や安全条件の適合性などについて考えることが重要です。

〇電源は台が電動式であるとき、台の近くにコンセントが必要です。

〇テーブルの外形寸法や位置を変えたときに、必要なスペースは不可欠な要素です。現場での患者位置は手術の方法により異なるため、台の様々な動きを考えることは重要な要素で、加えて手術室の部屋の大きさも台のサイズ選びに関係します。

〇安全性は患者の安全が第一ですので、台表面の抗真菌性や抗菌性また不燃性であるかどうかを確認することが要求されます。また肥満患者を手術するとき、転倒のリスクを避けるために台の耐荷重量の確認も必要です。

〇付属品の適合性は目的用途に応じて台と足の支え、点滴スタンド、牽引装置などの付属品との適合性を確認することが求められます。また手術中に放射線を使用する際、エックス線透過性の手術台が必要です。

【患者の要件】
術を受ける患者は、どの様な体位で手術を受けるのでしょう。

側臥位・伏臥位・仰臥位・切石位・トレンデレンブルグ体位・逆トレンデレンブルグ体位・座るタイプがあり、その体位に応じた台で手術がなされます。

まとめ

手術台における高さは、諸条件で変動することをお伝えしました。台の可動形態や種類・台の技術的要件・患者の要件などを考慮し、安全条件の適合性を踏まえて調整可能な台を選ぶ必要があります。

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