血圧計の変動で健康状態が分かる

治療用機器

人間の血液は365日眠らずに動いています。血圧とは血管内の圧力の事ですが、血圧計は何故、毎日同じタイミングで測る事が推奨されているのかご存知でしょうか。今回は血圧の変動についてくわしく紐解いていきましょう。

血圧のしくみ

血圧とは、心臓から出た直後の大動脈に加わる圧力の事です。現在、正常な血圧は、最高血圧では135mmHg未満、最低血圧では85mmHg未満と言われています。血圧は変動します。例えば、座っている姿勢から立ち上がったりした時には下がり、夜は低くてお昼は高かったり、運動をすると上がり、気温が温かいと下がったりします。ですが、自然と正常に戻ります。

この正常な範囲をいつも超えている状態を高血圧症、いつも下回っている状態を低血圧症と言います。特に高血圧症は多くが生活習慣病です。

高血圧は、動脈の硬化とセットとなっているケースが多く見られます。これによって血管の内壁が厚くなり柔軟性が失われると、血液の通り道が狭まります。

そもそも血液とは、全身の細胞に酸素を行き渡らせるべく、心臓の力によって血管内を流れるものです。その通り道が狭くなるにつれ、そのぶん心臓による血液を送る力すなわち血圧が血管内壁により強く加わる事となります。それが高血圧の主なメカニズムであり、これによって血管内に過剰な負荷が加えられるわけです。

高血圧が長期に及べば、さらに動脈が痛んでいくという悪循環に陥ります。その状態が続くといずれ血液中の成分が動脈の壁に入り込み、動脈硬化が起きます。

その結果、血液の流れが悪くなり血液中の成分自体によって塊ができ、血管を詰まらせ、心筋が酸素不足になって狭心症や心筋梗塞になるのです。

これが脳で起こると、脳出血や脳梗塞になります。他にも血管が多い腎臓などにも障害が起きたりします。高血圧症になると治療が必要ですが、予防する手段もあります。

高血圧症の予防方法

〇一日に摂取する塩分を制限します。食塩の摂取量は一日6g以下を心掛けましょう。
〇カリウムの摂取です。植物や動物の細胞全てに含まれているので、色々なものを食べていれば普通は十分ですが、特にパセリ・チョコレート・アーモンド・じゃがいも・たけのこ・バナナ・アボカドなどに多く含まれます。
〇お酒やたばこも高血圧の原因になるので制限が必要です。

電子血圧計で血圧を測定

血圧を測定する際は、血圧を測る人の二の腕(上腕)にゴムの袋の入った腕帯(カフ)を巻きます。この時、カフが小さすぎたり、カフを巻く位置が心臓よりも下がったりすると、実際の血圧よりも高くなってしまうので十分に気を付けましょう。

電子血圧計の場合、上腕に巻いたカフは測定を開始すると同時に自動的に膨らみます。この膨張によって、二の腕の血液の流れが一時的に止められます。その後、腕帯の空気を少しずつ抜いていき、血流が再開されるまで圧力を下げていきます。

ゆっくりと腕帯の空気を抜いていくと、小さな脈動現象(心拍)を確認する事ができます。この脈動は腕帯が緩くなっていくと大きくなり、最も大きな振幅になった後、再度収縮するのです。

この山形の振幅波形情報と、聴診法の結果を統計的に処理した特有のアルゴリズムで検分するにより血圧が算出されます。

まとめ

今回血圧の数値は一定ではなく、様々な理由によって変動する事がご理解いただけましたでしょうか。毎日測定する事で、体調や病状の変化をいち早く発見するのに血圧計での測定は重要でしょう。今回紹介した内容を参考に、日々の業務で活用できれば幸いです。

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