人工骨頭置換術(BHA)とは?大腿骨頚部骨折の治療で用いられるメリット

治療用機器

年齢を重ねると運動能力も低下してしまいますが、転倒や骨粗鬆症を原因とした太もも付け根の大腿骨頸部骨折などが増えてしまいがちです。

転んで骨折してしまうと、ギプスを1か月程度巻いておく必要がありますが、条件に合う場合には人工骨頭を使用することで当日から歩行が可能になる場合もあります。

そこで、大腿骨頚部骨折の治療で人工骨頭置換術(BHA)を行うメリットなどについて紹介していきます。

 

人工骨頭置換術(BHA)とは

「人工骨頭置換術(BHA)」とは、大腿骨頚部内側骨折や大腿骨頭が壊死したときに切除した上で、金属またはセラミックの骨頭で置換する手術です。

臼蓋側に手を加えることや置換などせずに、本人の軟骨と擦り合いさせ、骨頭のみを人工関節に置換します。

 

人工骨頭置換術(BHA)の目的

人工骨頭挿入術(BHA)は、太ももの付け根の大腿骨頚部の骨折や大腿骨骨頭の壊死で行う手術ですが、そもそも大腿骨骨折は激痛だけでなく座ったり立ったりできなくなります。

股関節は骨盤と下肢をつなぐ関節であり、丸い大腿骨頭が骨盤の寛骨臼蓋にはまったような形状になっています。

しかし大腿骨頭には上半身の体重がかかるため、骨折すれば痛みが大きく、座ることも立つこともできなくなるのです。

股関節の骨折は内側骨折と関節外の外側骨折に分けることができ、その多くは内側の大腿骨頸部または外側の大腿骨転子部で発生しています。

さらに大腿骨頚部は折れやすい形状をしており、固定することが難しいため、治りにくいことから人工骨頭置換術(BHA)が行われています。

一昔前まで、大腿骨頚部骨折は不治の病といわれていたものの、現在では治りうる病になったため、高齢の方でも以前と変わらない生活を取り戻すことができます。

 

人工骨頭置換術(BHA)のメリット

人工骨頭置換術(BHA)は、早期に手術することで日常生活を取り戻し、復帰することも早めることができます。

また、次のようなメリットがあるといえるでしょう。

・手術待機日数が平均1.47日など短い

・最小侵襲人工骨頭置換術で術日より立位・歩行が可能

・在院日数が平均17.8日と短い

・皮膚切開を最小限に抑えることで出血量が少なく輸血も不要になる

・脱臼するリスクが少ない

・筋肉のダメージが少なく筋力低下を防ぐことができる

・傷口から感染など起きにくい

・術後の痛みが少ない

早期にリハビリ開始が可能であり、寝たきりにならず肺炎や認知症などの合併症も予防できます。

何よりも短い入院期間で経済的な負担も軽減されることはメリットといえるでしょう。

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