歯科用金銀パラジウム合金を歯科治療に使用するメリット・デメリットを解説
保険適用の歯科治療においては、長年に渡り歯科用金銀パラジウム合金が使われてきました。
しかし実際に、歯科用金銀パラジウム合金とは何なのかよくわからないという方もいることでしょう。
口に入れるものだけに、安全性など気になることは多々あると考えられますが、歯科用金銀パラジウム合金を歯科治療に使用するメリット・デメリットを解説していきます。
歯科用金銀パラジウム合金とは
「歯科用金銀パラジウム合金」とは、次の割合で組成される合金のことです。
・金 12%
・パラジウム 20%
・銀 約50%
・銅 約10%
歯科治療においては銀歯や詰め物として使用されており、従来までの銀の詰め物はアマルガムが長く使用されていましたが、これは水銀と他金属との合金でできているという違いがあります。
水銀というと怖いイメージですが、アマルガム含まれる水銀は有害なメチル水銀ではなく、無機水銀です。
ただ。時間の経過とともに水銀が溶け、体内に蓄積すると健康被害につながるリスクを不安視する声もあるため、海外では歯科治療で使用できない国もあります。
そのため日本でも2016年にアマルガムが保険適用から外れ、治療では使われなくなりました。
歯科用金銀パラジウム合金を使用するメリット
歯科用金銀パラジウム合金を歯科治療に使用するメリットは以下のとおりです。
・強度が高い
・保険が適用される
・修復範囲が広くなる
それぞれどのようなメリットがあるのか説明します。
強度が高い
歯科用金銀パラジウム合金のメリットは、強度が高く奥歯に強い力がかかっても割れにくいことです。
保険が適用される
歯科用金銀パラジウム合金のメリットは、保険診療の適用であることです。
安くて強度も高さがメリットであるため、詰め物なら3千円前後、被せ物であれば4,000円前後で使用できます。
修復範囲が広くなる
歯科用金銀パラジウム合金のメリットは、修復範囲が広くなることです。
強度が高く割れにくいため、噛む機能の回復を見込むことができ、神経治療も必要な深い虫歯などでの治療にも適しています。
歯科用金銀パラジウム合金を使用するデメリット
歯科用金銀パラジウム合金を歯科治療に使用することにはいろいろなメリットがありますが、次のデメリットには注意が必要といえます。
・見た目が悪い
・虫歯が進行する場合がある
・アレルギーリスクがある
それぞれどのようなデメリットがあるか説明します。
見た目が悪い
歯科用金銀パラジウム合金のデメリットは、たとえ奥歯でも銀色が目立ち見た目が悪くなることです。
虫歯が進行する場合がある
歯科用金銀パラジウム合金のデメリットは、年月の経過で劣化し隙間が生じ虫歯を再発させる可能性があることです。
アレルギーリスクがある
歯科用金銀パラジウム合金のデメリットは、一定水準の安全性はクリアできていても、金属の溶け出しや歯茎の黒ずみ、さらに金属アレルギーなどのリスクがあることです。