MRI装置の消毒方法

生体現象測定記録・監視用機器

すべての医療機器に共通して言える事ですが、検査や手術、診断などが終わった後は感染防止の観点から消毒するよう義務付けられています。その理由は次の患者さんが診察や手術などをした後、前の患者さんが終わった後での消毒を怠ると院内感染のリスクが高くなる原因の一つになるためです。今回はMRI装置に関する消毒方法について説明しましょう。

はじめの注意点

MRI装置は高価な装置となります。機器によっては、消毒用のエタノールなどの液が一部使用不可な部分もあります。そのためはじめに、各装置の取扱説明書をご参照し、利用が可能かどうかの確認をお願いします。

検査の前と後

実際の人間ドックにおいて、検査を実施する意味ではMRI装置の存在は欠かせませんが、室内と手指の項目における消毒は実施しているわけです。室内に関しては受診する方や担当者が触る場所を重点的に消毒を行い、医療機器や補助具、呼吸同期ベルトやその固定具に関してがその対象となっています。なお、消毒はアルコールなどを使って行います。

手指に関しては検査前とそのあとに手指の消毒を行ってから施術するようになっています。

人間ドックを受ける前も後も次の方に対して院内感染を防ぐ意味で、アルコールなどによる消毒も徹底していますし、最近は担当者がマスクなどを着用して対応しており、患者さんについては検査中のみマスクを外すなどして院内感染を防いでいます。

次は検査を終えた後に行う消毒は、どのようにして行っているのかについて紹介しておきましょう。

消毒をする意味

MRI装置は人間ドックなどに対して患者さんがどの部分に異常をきたしているのかを把握し、今後どのようにして対処していくかを、説明しやすくするため結果を出しているわけです。

しかし、検査を終えた後は、検査技師は次の患者さんが気持ちよく検査を受けやすくする環境を作るために掃除と消毒は必須として頻繁に行われているわけです。MR装置で検査を終えたらまずは消毒を行います。

消毒する場所は?

検査を行う場所はガントリユニットと寝台部分の二か所となるため、操作部に関しては患者さんは触れる機会はないので清掃程度で構いません。消毒の前の掃除に関しては、中性洗剤を用いながら柔らかい布で汚れている個所を見つけたら、それを拭き取りましょう。場合によっては患者さんの汗や涙などの体液や血液と汚物で汚れを生じた場合は、拭き取りなどで除去を行います。

その次は消毒で基本的には消毒向けのエタノールを使いますが、行う際にはディスポーザブル(使い捨て)手袋を装備してから、装置消毒を行います。

その際に使うのは消毒向けのエタノールが指定されておりますので、実際に消毒を行う場所はというと、ガントリの開口部分、寝台の天板に上下カバーとマットレスと天板、下部とベースの各カバー部分となっており、それとは別にほこりなどで汚れやすくなっている部分ですので、点検と消毒は徹底して行うとよいでしょう。

消毒剤を使う場合

基本的にはアルコールや消毒向けのエタノールを使って対応しますが、病院によっては独自に消毒剤を作る場合もあります。作成時における比率についてはあくまで一例となりますが、イソプロパノール液とエタノール液がそれぞれ約70%台、クロルヘキシジン液が後者に対し0.5%代の比率となっています。これらの液体を混合した容器を別に用意してから注入し、保管の際にはアルコール類などと区分しながら管理しておきましょう。

それ以外にも塩素含有の消毒液を用いた方法もありますが、消毒を終わらせた後すぐに柔らかい布をきれいな水で湿らせてから表面を拭き取ったあと残っている消毒液を除去し、自然乾燥もしくはきれいな布で拭き取ります。

ただし、消毒スプレーでも可燃性が高く爆発性の恐れが高いものが存在していますので間違ってもそれを使わないようにしましょう。また、検査室におけるスプレーでの消毒は機械トラブルの原因になるので、消毒向けのエタノールを使いながらきれいに拭き取る程度にしておきましょう。

まとめ

MRI装置の消毒ですが、患者さんが実際にふれる箇所のほか、手指までも消毒を行うのが感染防止の為であり、次の患者さんが気持ちよく検査を受ける環境づくりにも役立っているわけです。

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