医療機器の開発事業とは?目的と種類・課題を簡単に紹介

治療用機器

医療機器の開発事業とは、新たな医療機器やシステムを開発して社会実装し、医療の質向上や健康寿命延伸を目指す事業です。

実際に医療現場で使う機器・装置・ソフトウェアなどの研究開発・製造・販売を行う事業であり、病気の診断・治療・予防・リハビリテーションなどに使用する機器の開発・改良・市場に送り出す活動全般のことといえます。

そこで、医療機器の開発事業について、目的と種類、課題を簡単に紹介します。

 

医療機器開発事業の目的

医療機器開発事業の目的として、以下が挙げられます。。

・医療の質向上…新たな医療機器の開発で、より正確で効果的な診断・治療を可能とし、患者の予後改善や生活の質向上を目指す

・健康寿命の延伸…疾病の早期発見・予防、身体に負担をかけない治療法の開発により、健康寿命の延伸へ貢献する

・医療費の削減…高度な医療機器を開発し、より効率的な医療提供を可能とすることで、医療費削減を目指す

・医療機器産業の発展…新たな医療機器の開発・実用化により、医療機器産業の発展の促進と経済成長へ貢献を目指す

・医療現場ニーズへの応答…医療現場の課題解決を可能とする医療機器を開発し、医療従事者の負担軽減と業務効率化を図る

 

医療機器の開発事業の段階

医療機器の開発事業は、以下の2つの段階で構成されます。

・研究開発

・事業化

 

それぞれ説明します。

 

研究開発

医療機器の開発事業は、まず以下の研究開発が行われます。

①基礎研究…新たな技術や原理に基づいた医療機器のアイデアを生み出す

②応用研究…基礎研究で得た成果から、具体的な医療機器のプロトタイプを開発する

③臨床研究…プロトタイプを患者に使用し、有効性や安全性を検証する

 

事業化

研究開発による成果を確認した上で、以下の流れに沿って事業化します。

①試作品開発…臨床研究で得た結果を踏まえて、量産可能な試作品を開発する

②非臨床試験…動物実験実施などにより安全性や有効性を確認する

③臨床評価…人を対象に臨床試験を行い、有効性や安全性を確認する

④薬事承認…開発した医療機器の販売に向けて、国(厚生労働省)の承認を得る

⑤量産化…承認された医療機器を大量生産する体制を整備する

⑥販売・流通…医療機関や患者へ医療機器を販売・提供する

 

医療機器の開発事業の課題

医療機器の開発事業の課題は、以下のとおり医工連携の課題と規制対応の複雑さ、開発費回収の難しさ、人材不足などいろいろあります。

・技術の進歩…AI・ロボット技術・再生医療などの分野での技術進歩が求められる

・規制の複雑…医療機器の開発では薬機法などの規制を受けるため、開発プロセスが複雑化している

・人材育成…専門知識や技術に加えて、臨床経験や事業化に関する知識も必要となるため、適した人材の育成が必要である

・資金調達…医療機器開発に多額の研究開発費が必要であるものの、調達が課題となりやすい

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