内視鏡レーザーメス手術とは?

治療用機器

人体には時に、内外要因により器官に病変を抱えてしまうものです。そのような状況になれば、その部位を切除して器官を正常な状態にする医療行為が必要になります。その外科的な行為に必要不可欠なものがメスです。そのメスにも様々あります。今回内視鏡下レーザーメスをご紹介したいと思います。

レーザーを使用した治療の歴史

レーザーを使用した治療には歴史があります。レーザーに最初に関わったのはアメリカのタウンズという方です。その後、開発競争が始まり多くの研究者がこの分野の研究を始めました。その中で、1960年にルビーを使いレーザー光発振に成果を出したのが、アメリカのメイマンで実際の発明者だと言われています。

その後、医療分野への応用も早く、メイマンの成功後翌年1961年には、アメリカで網膜の剥離手術にレーザーが使われ、1970年には膀胱結石の手術に使われました。日本では1980年前後に眼科からレーザーの使用がスタートされています。

現在レーザーメスとして使用されているレーザーは、炭酸ガスレーザーやNd-YAGレーザーなどや、その他のレーザーがあります。炭酸ガスレーザーメスは、種々の外科手術で広く用いられています。

内視鏡下レーザーメス治療例

このメスを使用した手術として、前立腺肥大症があります。前立腺が肥大する病気で、55歳以上の男性の5人に1人が罹患していると言われています。内視鏡を用いた手術の一つとして、内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した患部を安全かつ確実に切除していきます。

また経尿道的尿路結石の除去手術など使用されます。麻酔をした後に内視鏡を尿道から入れて、内視鏡の先端を尿管から腎孟、腎杯内の結石まで導き、結石を観察しながら結石を粉砕して、破砕された結石を体外に摘出します。

レーザーメスはこのとき、結石を粉砕します。またレーザーは粘膜を損傷しにくく、結石を細かくすることに優れています。その他の手術にも用いられますが数例挙げました。

内視鏡下レーザーメスの未来

現在、消化器官の内視鏡下レーザーメスの治療には、医学的に必要性が求められています。その必要性としては以下のものがあげられます。

〇正常な組織への熱的な影響が少なく低侵襲であり、穿孔や狭窄などの合併症の危険が小さいこと。
〇出血を抑えあるいは、止血作用を施しながら病変部及びその周辺を含む全切除が出来ること。
〇病理診断に適合した切除標本を取得できること。

などが挙げられます。CO2レーザーは水に対して吸収が拡大しNd:YAGレーザーのように正常組織内に深く達することはなく、あるレベルの止血効果を持ちながら軟組織の切除を行うことができます。

レーザー光は処置具先端から直進に照射され、照射位置を正確に特定して接触せず切開できるので手術の状況も捉えやすいのです。将来、現在の医学的必要を満たし研究開発が進められれば、内視鏡下レーザーメスは将来さらに用いられていくでしょう。

まとめ

外科的医療行為に必須な器具のメス。様々メスはありますが、内視鏡下レーザーメスをとり挙げてみました。レーザーの歴史や内視鏡を用いたレーザーメスの治療例、このメスの将来的課題などについて書いてみました。

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