手術台など医療機器の耐用年数から考える使用可能年数は?

治療用機器

医療機器の使用期間を表す目安になるものに「耐用期間」がありますが、その定義は、当該機器の標準的な使用状況において、部品や補用品などの交換、修理やオーバーホールなどを繰り返し行っても、機器の安全性や信頼性が目標とする値を維持できなくなると考えられる耐用寿命のことです。
したがって、医療機器の使用可能年数は、この耐用期間を基準に考えることができるでしょう。
医療機器の場合、その多くが8年を耐用期間として定められていますが、固定資産の減価償却費の計算の基礎となる年数をあらわす「耐用年数」は、寿命をあらわすものではありません。

 

耐用年数を参考にする場合
ただし減価償却資産の法定上、使用可能とする見積期間なので、参考にすると良いでしょう。国税庁が公表している医療機器の減価償却資産の耐用年数は次の通りです。
●消毒殺菌用機器 4年
●手術機器 5年
●血液透析又は血しょう交換用機器 7年
●ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器 6年
●調剤機器 6年
●歯科診療用ユニット 7年
●光学検査機器
 ○ファイバースコープ 6年
 ○その他のもの 8年
●その他のもの
 ○レントゲンその他の電子装置を使用する機器
・移動式のもの、救急医療用のもの、自動血液分析器 4年
  ・その他のもの 6年
 ○その他のもの
  ・陶磁器製・ガラス製のもの 3年
  ・主として金属製のもの 10年
  ・その他のもの 5年

誤りやすい医療機器の区分について
なお、問題となりやすいのが、取得した医療機器が「器具及び備品」と「機械及び装置」のどちらに該当するのか迷うケースです。
例えば医療法人などが申告書と同時に提出する書類に「中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別償却」の適用申請書がありますが、明細書の種類欄に「医療機器」と記載があり、名称欄に「超音波診断装置」「血管造影X線診断装置」といった記載があれば「機械及び装置」に該当すると判断してしまい特別償却が認められることになってしまいます。
ただし、後でこの適用が適切でないと会計検査院などが判断した場合など、適正な運用を行うように今さらながら通知が送られることもあります。

医療機器は「器具及び備品」である根拠
医療機器については、「器具及び備品」の中の「8医療機器」に該当するので「機械及び装置」には該当しないと判断されます。
中小企業者などが機械等を取得した際、上記の特別償却制度の対象となる資産は、機械及び装置、器具及び備品(特定のもの)、ソフトウェア(一定のもの)、貨物自動車(車両総重量3.5t以上)、船舶(内航海運業用)です。
器具及び備品のうち特定のものとして該当するのは、一定の電子計算機といった事務処理の能率化に資するものなどですので、医療機器は対象資産としては当てはまらないことになりますので理解しておきましょう。

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