MRI画像診断におけるエコー時間との関係性

生体現象測定記録・監視用機器

画像診断を行う場合においては、核磁気共鳴で得られる信号から強調画像をもとに診断される事になります。その中の信号は、核磁気共鳴現象に対する緩和現象との速さの関係があります。ここでは、信号の取り出し方における、エコー時間との関係性について紹介しましょう。

MRIは核磁気共鳴による診断

MRIは水素原子であるプロトンの特性を、磁場を作り出す事で人間の体内にある水分から水素を利用している画像診断です。画像診断には、磁石の性質が別方向を示している状態を持つ核スピンに対して、電磁波のパルスを照射する事で、回転数が変化する状態を作り出します。この時の水素原子のもとに戻ろうとする時間に差が生じてきます。

この戻り方の違いを時間的な特徴によって画像診断のタイプに表したのが、縦緩和による強調画像と横緩和による強調画像によって、低信号の黒い画像と高信号の白い画像で表現できるようになっています。この画像パターンの対比によって診断の材料としています。

1=T1強調画像は縦緩和による強調画像です。
水が黒い画像を示しており、脂肪やメトヘモグロビンおよび造影剤などが、白く写るようになります。

2=T2強調画像は横緩和による強調画像です。
デオキシヘモグロビンが急性期の出血である状態を示して黒い部分となっており、水や関節液が白く表示されます。

※他にもPDWIは、組織内に含まれるプロトンの値を画像で示した撮像法です。拡散強調画像として縦緩和や横緩和が、極力抑えられている画像です。密度を強調している画像ともいいます。

エコー時間についての関係性を示す

スピンエコーについての関係性を紹介します。最初に、照射パルスを与えて(平面上に90°倒すためのラジオ波磁場パルス)、横磁化の発生を行います。次に、プロトンの緩和現象が起こる事で、横磁化が小さくなり、縦磁化の増加を行います。続いて180°RFパルスを与えてMR信号を取り出します。これらを繰り返し行ってMR信号を得るまでの時間を「エコー時間」といいます。

スピンエコーは、「180°RFパルス」を印加する事により、磁場の不均一性を解消する事ができるようになり、高画質の映像を作り出しますが、その分の「エコー時間」がかかるために、1枚の画像を取得する時間が長くなる問題があります。

※90°RFパルスを繰り返す事を「TR」とし、経過時間が長くなると、縦緩和が終了する事になり、TRを短くする場合には、緩和は途中の状態のままでいます。

信号は水平面から取得する

90°RFパルスから時間が経つ事で、横緩和の信号が減少してしまいます。エコー時間が短いと、縦方向を示す信号強度を得る事ができます。

組織コントラスト

組織によってT1値とT2値が変化しています。パルス照射によって、信号強度は指数関数的な変化を表します。これらに対して「TR」と「エコー時間」を調整する事で、組織間のコントラストを適切な画像にしています。

まとめ

MRI画像診断におけるエコー時間との関係性について紹介しました。画像を高画像にする事や、コントラストの調整のためには、繰り返し行う照射と「エコー時間」が密接に関係している事を表しています。画像診断の利点として、スピンエコーの画像の仕組みを調整しているのです。

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