血圧計を廃棄する方法について

生体現象測定記録・監視用機器

医療施設には、数多くの医療機器があります。それぞれの機器には寿命があり、役目を終わったなら廃棄しなければなりません。しかし医療機器は一般の家電製品などとは異なり、粗大ゴミとして処分することはできません。最大の理由は、感染などを引き起こす可能性があるからです。今回は血圧計を廃棄する場合の方法について解説します。

廃棄処分の方法は?

医療機器の中には有害物質や化学物質を含んでいるものもあるので、適切な方法で廃棄しないと環境と人に悪影響を起こす恐れもあります。医療施設が出すゴミは[感染性廃棄物]としてマニュアルに準じて適正に処分します。

マニュアルを遵守せずに勝手に処分すれば罰せられることもあるので、取り扱い方に気をつけましょう。要らなくなった機器の処分は次に挙げる様なものがあります。

①買取業者に引き取ってもらう
医療機器専門の買取業者がいますので、引き取りを依頼します。処分には費用が出ますが、買取は収入を得ることができます。

②専門の回収業者に委託する
廃棄物になった機器は、通常専門業者へ依頼し処分します。確実かつ安全に処分してくれる信頼に足る業者を見つけておくことが大切な点です。

〇買取可能な機器の種類
次に挙げる医療機器は、専門業者による買取対応の可能性があります。
内視鏡関連の機器・CT・MRI・超音波装置・レントゲン装置・心電計・自動血圧計・手術台・滅菌機、その他の検査機器などです。

水銀血圧計の廃棄?

血圧計の中でも上記の自動血圧計は買取可能ですが、水銀を使用した血圧計については平成29年10月より施行された新たな基準にそって適切な処分が求められます。水銀は人体に有害な物質です。

回収処分の方法は、自治体によって異なります。医師会による回収が定められている地域では、その仕組を活用してください。なぜ水銀血圧計の回収は医師会が回収するのかと言いますと、医療機関で使用されていた血圧計は、産業廃棄物であり、排出事業者(医療機関)に処理責任があります。医師会は医師の団体として、また医師の倫理観に応えてサポートする義務があるのです。

水銀血圧計は、水銀体温計と共に2021年1月1日以降の輸出入や製造が禁止されています。日本医師会なども新規導入をしないよう自粛を進めています。

他の血圧計関連事項

不要になった水銀血圧計は誰が処理費用を負担するのでしょうか?

産業廃棄物ですから、法律では排出者(所有者:個人・医療機関・大学など)に費用を負う責任
があります。

まとめ

医療機器の廃棄には、特段に注意が必要です。計測機器でもある血圧計は、そのまま回収業者に任せられるものと、廃棄の手順が定められた水銀を使用した血圧計があります。これらは自然環境や人体に影響が出ない形での廃棄が求められます。

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